ロイ・エストラーダ

ロイ・エストラーダ (Roy Estrada)

ロイ・エストラーダは、1943年4月17日にアメリカ合衆国カリフォルニア州サンタアナで生まれた著名なベーシストおよび作曲家です。本名はロイ・ラルフ・モレマン・グアカモーレ・グアダルーペ・イダルゴ・エストラーダであり、ヒスパニックの家系に育ちました。彼は音楽に対する情熱を早期から抱き、特に12歳のときにベース・ギターを手にし、その後音楽の道へ進むことになります。

音楽キャリアの始まりとザ・マザーズ・オブ・インヴェンション

エストラーダは16歳のとき、ロイ・エストラーダ・アンド・ザ・ロケッティアーズを結成し、1960年にシングルをリリースしました。1964年にはレイ・コリンズやジミー・カール・ブラックと共にR&Bグループであるザ・ソウル・ジャイアンツを結成。1965年にはバンド名をザ・マザーズに変更し、さらにフランク・ザッパを迎え、正式にザ・マザーズ・オブ・インヴェンション（MOI）として活動を始めます。

エストラーダはMOIのオリジナル・メンバーとして、ベース・ギターとファルセット・ボーカルを担当し、1966年にはデビューアルバム『フリーク・アウト!』を発表。さらに続くアルバムでもその独自のサウンドを築き上げていきました。

リトル・フィートの結成とMOIからの離脱

1969年にザッパがMOIの解散を宣言すると、エストラーダは薬物問題で脱退したローウェル・ジョージと共にリトル・フィートを結成しました。彼らは二作のアルバムを制作しましたが、商業的な成功には至らず、エストラーダは二作目の『セイリン・シューズ』をもってグループを離れます。その後、彼はキャプテン・ビーフハート・アンド・ザ・マジック・バンドに加入し、アルバム『クリア・スポット』に参加しました。

再びMOIへの参加とソロ活動

1975年にMOIに復帰し、1976年には最後のワールドツアーに参加した後、ザッパのソロ活動に関与することとなります。エストラーダは『ズート・アリュアーズ』や、さまざまなアルバムにおいてもザッパの音楽に貢献しました。

逮捕と服役

エストラーダの音楽キャリアは、彼の犯罪歴に大きく影響されることになります。1977年には児童性的虐待の容疑で逮捕され、1994年にも同罪で懲役6年の判決を受けます。2002年に釈放された後は、ザ・グランドマザーズとして過去の仲間と共に音楽活動を行いますが、2008年に再び逮捕。2012年には懲役25年の判決を受け、現在も服役中です。

音楽の影響とディスコグラフィー

エストラーダは、ザ・マザーズ・オブ・インヴェンションやリトル・フィート、キャプテン・ビーフハートなど多数のグループに参加し、数多くのアルバムに参加することで、音楽界に多大な影響を与えました。彼の作品は今なお多くのファンに支持され続けています。主なディスコグラフィーには『フリーク・アウト!』や『リトル・フィート・ファースト』、ザッパに関連した数々のアルバムが含まれています。エストラーダの音楽は、彼の人生の波乱に満ちた道のりを反映しており、今後も語り継がれることでしょう。

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