カール・アレクサンダー・フォン・ロートリンゲン

カール・アレクサンダー・フォン・ロートリンゲン：軍司令官、ネーデルラント総督、そしてロレーヌ公家のプリンツ

カール・アレクサンダー・フォン・ロートリンゲン（1712年12月12日 - 1780年7月4日）は、ロレーヌ公レオポルトの末子として生まれました。兄フランツ・シュテファン（後の神聖ローマ皇帝フランツ1世）がマリア・テレジアと結婚したことで、ハプスブルク家との関係が深まり、彼はオーストリア軍人としての道を歩み始めます。

軍人としてのキャリア

カール・アレクサンダーは、軍人として教育を受け、オーストリア・ロシア・トルコ戦争に従軍。その後、オーストリア継承戦争では元帥に任命され、オーストリア軍の主要な指揮官の一人として活躍しました。フリードリヒ2世率いるプロイセン軍とのホトゥジツェの戦いでは敗北を喫しましたが、その後の対フランス・バイエルン戦役では成功を収めました。

1744年にはマリア・テレジアの妹マリア・アンナと結婚し、夫婦でオーストリア領ネーデルラント総督に任命されましたが、マリア・アンナは出産中に亡くなりました。

その後の戦役では、ライン川渡河に成功しロレーヌに侵攻するも、プロイセン軍のボヘミア侵攻により撤退を余儀なくされました。ホーエンフリートベルクの戦いやゾーアの戦いではプロイセン軍に大敗を喫し、ロクールの戦いでもフランス軍に敗れるなど、苦戦を強いられました。

七年戦争でも、プラハの戦いやロイテンの戦いなどでプロイセン軍に敗北。その後、指揮官の座を降り、軍事顧問としてウィーンに滞在した後、ブリュッセルに戻りネーデルラントの統治に専念しました。しかし、マリア・テレジアからは軍事勲章大十字章を授与されています。

ネーデルラント総督としての功績

オーストリア継承戦争終結後、カール・アレクサンダーはネーデルラントの統治に尽力し、多くの改革を精力的に行いました。その結果、彼は大衆から絶大な人気を獲得し、1775年にはブラバント議会がブリュッセルに彼の彫像を立てるほどでした。

晩年と死

軍務引退後もネーデルラントでの人気は衰えず、彼は地域住民から敬愛されました。1780年7月4日、テルビュレン城で生涯を終え、ブリュッセルの聖ミシェルと聖ギュデュル大聖堂に埋葬されました。彼の心臓は、故郷ナンシーの教会に納められています。

カール・アレクサンダーは、軍人として、政治家として、そしてロレーヌ公家のプリンツとして、多岐にわたる分野でその才能を発揮し、歴史に名を残しました。

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