ログアウト冒険文庫

ログアウト冒険文庫について

ログアウト冒険文庫（ログアウトぼうけんぶんこ）は、アスペクトが発行したライトノベル系の文庫レーベルです。このレーベルは1993年10月に創刊され、当時アスペクトの親会社だったアスキーが発行していたテーブルトークRPG誌『LOGOUT』を起点にしています。しかし、ライトノベル市場への参入は比較的遅れたものでした。アスキーグループが抱えていた文芸部門に関するノウハウや人脈は非常に限られており、作家の確保や人材育成が難航しました。

そのため、アスキーはアニメ業界やゲーム業界に精通する人々に執筆を依頼することが多くなりました。この結果、ログアウト冒険文庫は、アニメやゲームに関連する事柄を扱った作品が多くなりがちでした。従って、一部では「アニメやゲームの制作者が片手間で書いたライトノベル」というイメージが強く、他のレーベルとの差別化にも苦労していました。また、書店の文庫棚においても、競合が厳しく、他社の作品に埋もれてしまうことも非常に多く、ヒット作品に恵まれることも難しかったのです。

1995年12月、主要な雑誌であった『LOGOUT』が販売不振により休刊となることが決定しました。これにより実質的に廃刊となり、旗艦誌を失ったログアウト冒険文庫は、以降も細々と存続していくことになります。ブランドイメージの刷新を目指し、後にログアウト文庫としてリニューアルされました。

ログアウト冒険文庫には、多くの作品が刊行されており、特にゲームやアニメをテーマにしたタイトルが多いことで知られています。代表的な作品には、以下のようなタイトルがあります。

• - 暁のビザンティラ （上/下）
• - ウィザードリィ・サーガ シリーズ（上下）
• - 真・女神転生RPG シリーズ

このように数多くのタイトルが存在し、中には特に人気のある作品もありました。特に、ウィザードリィや真・女神転生といったシリーズは、ゲームファンからの支持を得ていたため、その人気と影響力は現在も続いています。

また、エンターブレインが家業として持つファミ通文庫は、ログアウト冒険文庫の系譜を引き継いでいると見なすこともできます。ファミ通文庫は、異なるアプローチでライトノベルを展開し、新たな作品や作家を輩出しています。

総じて、ログアウト冒険文庫は、ライトノベルというジャンルにおける重要な存在でした。ゲームやアニメと深く結びついた作品を通じた文化的発展に寄与し、後のライトノベル文化にも影響を与えました。現在も名作として記憶される作品が多く、ファン層は根強く、今なお愛されているレーベルと言えるでしょう。

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