ロサイス

スコットランドの港町ロサイス：歴史と再開発

ロサイス（Rosyth）は、スコットランドのファイフ行政区に位置する人口約1万5千人の港町です。フォース湾に面し、ダンファームリンの近くに位置しています。

造船の歴史

ロサイスの歴史は、1909年にイギリス海軍の造船所建設が開始されたことから大きく動き出しました。造船所の建設に合わせて埋立地が造成され、広大な敷地が確保されました。1915年には、造船所の労働者のための田園都市も建設され、近代的な都市と港が形成されました。

ロサイス造船所は、第一次世界大戦、第二次世界大戦を通じて、軍艦の修理や解体といった重要な役割を果たしました。1997年にはバブコック・インターナショナルに買収され、以降、同社によって運営されています。

バブコックは、元々バブコック・アンド・ウィルコックスというアメリカの会社でしたが、後に独立し、造船所との関わりを深めていきました。冷戦時代には、戦略的に重要な原子力潜水艦の施設が整備され、イギリスの国防に大きく貢献しました。

冷戦終結後、造船所は民営化され、バブコックが所有権を取り戻しました。その後、原子力潜水艦の修理業務を終え、現在は退役した原子力潜水艦の原子炉などを抜き取った後の、放射性廃棄物の保管用地となっています。2016年からは、低レベル放射性廃棄物を含む解体作業が開始され、段階的に進められています。

最新空母の最終組み立て地

ロサイスは、最新空母HMSクイーン・エリザベスの最終組み立て地としても知られています。国内4か所で建造されたブロックがロサイスに集められ、最終的な組み立てが行われ、2017年12月に就役しました。

再開発計画

近年、ロサイスでは大規模な再開発事業が計画されています。スカボロー・ミュア・グループによるロサイス・ウォーターフロント開発計画は、当初議会に拒否されましたが、後にクライドバンクにおける持続可能な経済成長を目的としたグリーン・フリーポートとして承認されました。この計画には、洋上風力発電や低炭素エネルギー発電の建設、インフラ整備、物流の改善、フォース湾を横断するフェリーの施設などが含まれており、約150ヘクタールの敷地が使用される予定です。これらの開発が完了すれば、10億ポンドの投資と約7,000人の新たな雇用が生まれると期待されています。

交通

ロサイスは、M90モーターウェイに近く、エディンバラへのアクセスも良好です。ヨーロッパ大陸とスコットランドを結ぶフェリーも運航されており、鉄道はファイフ・サークル・ラインが利用できます。

政治

ロサイスには、ダンファームリン・アンド・ウェスト・ファイフ・ウエストミンスターとダンファームリン・ウェスト・スコティッシュ・パーラメントの2つの選挙区があり、スコティッシュ自由民主党の議員が選出されています。また、ファイフ・カウンシルには、スコティッシュ自由民主党、スコットランド国民党、労働党の3名の議員が選出されています。

ロサイスは、造船の歴史を持ちながら、新たな再開発によって未来を切り開こうとしている魅力的な港町です。

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