ロサンゼルス (飛行船)

USSロサンゼルス(ZR-3): アメリカ海軍の硬式飛行船

USSロサンゼルス(ZR-3)は、アメリカ海軍が運用した硬式飛行船です。元々はドイツのツェッペリン飛行船会社でLZ 126として建造され、第一次世界大戦の賠償の一部としてアメリカに譲渡されました。その長い生涯において、観測・実験プラットフォーム、そして他の飛行船のための訓練機として多岐にわたる役割を果たしました。

誕生と経緯

第一次世界大戦後、アメリカ陸軍のハロルド・ガイガー少佐は、ドイツにおけるLZ 126飛行船の建造に関する報告書をアメリカ陸軍航空部の司令官に送り、その有用性を訴えました。ガイガー少佐自身も、後にこの飛行船で大西洋横断を経験することになります。大西洋横断後、飛行船は1924年11月25日にアメリカ海軍に就役し、USSロサンゼルスと命名されました。安全性を考慮し、浮揚ガスは水素からヘリウムに変更されました。

運用と役割

USSロサンゼルスは、合計4,398時間の飛行を行い、172,400海里（319,300km）を航行しました。その間、太平洋から大西洋に至る広範囲で活動し、様々な観測や実験のプラットフォームとして利用されました。全長は656フィート（199.949m）で、最大のツェッペリン飛行船であるヒンデンブルクよりはやや短いサイズでした。

事故と退役

1927年8月25日、レイクハーストの係留塔に繋がれていた際、突風により機体が持ち上げられ、船体が85度の角度になるまで上昇するという事故が発生しました。しかし、幸いにも損傷は軽微で、翌日には飛行可能となりました。しかし、経済的な理由から1932年に退役。一時的に再就役したものの、すぐに保管状態に戻り、1939年に海軍のリストから抹消されました。他の僚船が事故で失われたのに対し、USSロサンゼルスは格納庫内で解体され、静かにその生涯を終えました。

関連項目

ツェッペリン飛行船一覧

参考文献

Robinson, Douglas H., and Charles L. Keller. "Up Ship!": U.S. Navy Rigid Airships 1919-1935. Annapolis, Maryland: Naval Institute Press, 1982. ISBN 0-87021-738-0
Althof, William F. 2004. USS Los Angeles: The Navy's Venerable Airship and Aviation Technology. ISBN 1574886207.

外部リンク

USS Los Angeles (ZR-3) - Navy Lakehurst Historical Society
Picture of the August 25, 1927 nose stand
DANFS article on Los Angeles (ZR-3) - ウェイバックマシン

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