ロシア帝国憲兵団

ロシア帝国憲兵団の歴史

ロシア帝国憲兵団（Корпус жандармов）は、19世紀の帝政ロシアにおいて、治安を維持するために設立された国家の組織です。彼らは、単なる警察組織にとどまらず、反体制的な活動を取り締まる秘密警察としての役割も担っていました。この憲兵団は、皇帝官房第三部や内務省警察部と密接に連携し、帝国の安定を守るために活動していました。

経緯

「ジャンダルメリヤ」という言葉は、1772年に初めて登場しました。当時、胸甲騎兵連隊で構成されたジャンダルム連隊が設立され、後に近衛騎兵連隊に編入されたため、この名称は一時的に消えることになります。しかし、1815年には再びジャンダルムの概念が復活し、ボリソグレブスク竜騎兵連隊がジャンダルメリヤに改称されたのが重要な出来事でした。

1817年には、国内警備を担うジャンダルム哨所が設立され、各都市にはジャンダルム大隊が編成されました。このようにして、憲兵団の活動は段階的に広がっていきました。

設立

ロシア帝国の正式な憲兵団は1827年に設立されました。アレクサンドル・ベンケンドルフ伯爵がこの組織の初代長官となり、ニコライ1世の命令により憲兵団が創設されました。設立当初の定員は4,278人で、将官や参謀将校、文官を含んでいました。ベンケンドルフは、これを8～10の県からなる5つの管区に分けて、組織の基盤を固めました。

各管区は将官が指揮をとり、さらに小さな局に分かれて、より効率的な運営を目指しました。この構造により、各県には少佐から大佐までの参謀将校が配置され、地域の治安を維持するために必要な支援体制が整えられていました。

廃止

この制度は1832年から1837年にかけて飛躍的に拡張され、ポーランド王国管区やカフカーズ管区が設置されました。しかし、1860年代中頃にはそれらの管区が単に中央と通信を取る役割となってしまい、維持費も増大しました。このため、1867年に大規模な管区制が廃止され、ワルシャワ、シベリア、カフカーズの3つの管区のみが残されました。

しばらくして、1870年にカフカーズ管区も廃止され、憲兵団の権限と機能は弱体化していきました。その後、1917年の2月革命によって、ついに憲兵団自体が廃止されることになりました。

関連項目

• - 国家憲兵
• - 皇帝官房第三部
• - ロシア帝国内務省警察部 / ロシア帝国内務省警察部警備局

このように、ロシア帝国憲兵団は治安維持の重要な組織であり、時代によって変化する情勢の中でその役割を果たしていました。

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