ロジェ・デ・フラミンク

ロジェ・デ・フラーミンクは、1947年8月24日、ベルギーのオースト＝フランデレン州エークローで生まれました。兄はシクロクロスで7度の世界選手権優勝を誇るエリック・デ・フラーミンクであり、ロジェ自身も1968年にアマチュア、1975年にプロとしてシクロクロスの世界選手権を制覇しています。

少年時代はサッカーに熱中していましたが、兄の影響を受け、1965年頃から自転車レースに出場するようになり、その才能を開花させます。アマチュア時代からロードレースとシクロクロスで活躍し、1968年の世界選手権では、兄エリックがプロ部門、ロジェがアマチュア部門でそれぞれ優勝するという快挙を成し遂げました。同年にはメキシコオリンピックのロードレースにも出場しています（18位）。

1969年にプロに転向すると、クラシックレースでその名を轟かせます。特にパリ〜ルーベでは、1972年、1974年、1975年、1977年と4度の優勝を果たし、2位も4回経験。「ミスター・パリ〜ルーベ」の異名を取りました。また、パリ〜ルーベを含む5大モニュメント全てで優勝しており、これはエディ・メルクス、リック・ファン・ローイを含めて史上3人しか達成していません。

その他、ティレーノ〜アドリアティコでは1972年から1977年まで6連覇を達成。UCIプロツアー対象レースにおける連覇記録として、ショーン・ケリーがパリ〜ニースで1982年から1988年まで7連覇を達成した記録と並び、特筆される記録です。

1975年はロジェにとって特別な年となりました。シクロクロスの世界選手権を制覇しただけでなく、ロードレースの世界選手権でもハニー・クイパーに次いで2位に入賞しました。ロードレース世界選手権での最高位はこの時の2位でしたが、同年のツール・ド・スイスでは総合優勝を飾り、6つの区間優勝も獲得。ジロ・デ・イタリアでは2年連続でポイント賞を受賞し、チューリッヒ選手権も制覇しました。

その後も第一線級の選手として活躍を続け、1984年のブエルタ・ア・エスパーニャでの区間優勝を最後に現役を引退。プロ通算257勝を記録しました。

引退後はシクロクロスの指導者として、ベルギーのチームやジンバブエのチームでアドバイザーを務めました。また、評論家としても活動しており、特にチーム内における複数のリーダー選手の配置については批判的な立場を取っていることで知られています。

主な実績

世界自転車選手権優勝
シクロクロス 1975
モニュメント優勝：通算11回
パリ〜ルーベ 1972, 1974, 1975, 1977
リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ 1970
ミラノ〜サンレモ 1973, 1978, 1979
ロンド・ファン・フラーンデレン 1977
ジロ・ディ・ロンバルディア 1974, 1976
ステージレース優勝
ツール・ド・スイス 1975（総合優勝、6区間優勝）
ティレーノ〜アドリアティコ 1972, 1973, 1974, 1975, 1976, 1977（6年連続総合優勝）
ツール・ド・フランス 1970 区間優勝
ジロ・デ・イタリア 1972, 1979 区間優勝
ブエルタ・ア・エスパーニャ 1984 区間優勝
その他の主な実績
ジロ・デ・イタリア ポイント賞 1972, 1974, 1975
フレッシュ・ワロンヌ 優勝 1971
チューリッヒ選手権 優勝 1975
オムロープ・ヘット・フォルク 1969, 1979 優勝
パリ〜ブリュッセル 優勝 1981
* ベルギー国内選手権 優勝 1969, 1981

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