ロジックアナライザ

ロジックアナライザとは

ロジックアナライザは、デジタル回路における信号の動きを目に見える形で表示し、人間には把握しきれない高速信号を解析・確認するための重要なツールです。デジタル回路は複雑であり、その動作を理解するためには、内部の信号を正確に観察する必要があります。ロジックアナライザを使用することで、このプロセスが容易になり、設計工程において不可欠な役割を果たします。

基本機能

この装置は通常、多数のチャンネルを使用してデータを収集します。キャプチャしたデータは、タイミングチャートとして表示されたり、特定の通信プロトコルをデコードしてハンドシェイクの内容を明らかにすることが可能です。また、状態遷移図やアセンブリ言語、さらにはソースコードと連携した表示ができるため、デジタルシステムの詳細な解析を支援します。

最近のロジックアナライザは、ディスプレイや制御基板、データをキャプチャするためのハードウェアなどを複数搭載した筐体や、これらを一体化した単体ユニットとして設計されています。市場では、アジレント・テクノロジーとテクトロニクスがほぼ95％のシェアを占めています。

操作の流れ

ロジックアナライザはトリガを用いて、複雑なイベントの順序を基にデジタルデータを大量にキャプチャします。優れたロジックアナライザは、コンピュータプログラムの実行フローやプロトコルを解析し、メッセージを表示したり実行エラーを検出したりします。初期のロジックアナライザでは、多数のクリップを使用して接続することが一般的でしたが、現在では特別なコネクタを利用することが増え、接続が容易になっています。

2002年にはコネクタ不要の技術が導入され、圧縮プロービングやソフトタッチプロービングなどの名前が付けられ、接続の頑丈さと信頼性が向上しました。プローブとボードの間の接続も非常に小さなキャパシタンスで行われます。接続後、ロジックアナライザは信号に名前をつけ、分かりやすく整理します。

キャプチャモードは、タイミングモードまたはステートモードから選択可能です。タイミングモードでは、入力信号を一定の間隔でサンプリングし、ステートモードではクロック信号に基づいてデータを取り込みます。トリガ条件はシンプルなものから複雑なものまで設定でき、ユーザーは繰り返しデータ取得を行うか一回限りかを決定します。データ取得後は、波形や状態を可視化し、イーサネットプロトコルのデコードも行えます。

使い方の例

ICを用いたデジタル回路設計において、個々のユニットの動作を理解するためのシミュレーションが行われます。しかし、ロジックアナライザはシミュレーションでは検知できないハードウェアの動作を検出できる利点があります。特に複雑なロジックが含まれるケースでは、ロジックアナライザがシミュレーションを超える解析能力を発揮します。FPGAなどの複雑なデジタルデバイスの測定には、ロジックアナライザが欠かせません。

関連ツール

ロジックアナライザに関連する機器としては、バスアナライザ、プロトコルアナライザ、JTAG、インサーキットエミュレータなどがあります。これらのツールは、デジタルシステムをより深く理解するための補完的な役割を果たし、システムの信頼性向上に貢献します。

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