ロスコフ生物学研究所

ロスコフ生物学研究所

ロスコフ生物学研究所（Station Biologique de Roscoff、SBR）は、フランスのブルターニュ地方、ロスコフに位置する海洋生物学と海洋生態学の研究・教育における重要な拠点です。多様な生物が生息する環境を背景に、幅広い研究活動と教育プログラムを展開しています。

概要

1872年にアンリ・ド・ラカーズ・デュティエによって創設されたロスコフ生物学研究所は、ピエール・マリ・キュリー大学、フランス国立宇宙科学研究所、フランス国立科学研究センターに所属し、多くの研究者や学生を受け入れています。ロスコフは潮の満ち引きが大きく、研究所周辺の海域は生物多様性に富んでおり、研究対象となる多様な生物に容易にアクセスできることが特徴です。

歴史

1872年: アンリ・ド・ラカーズ・デュティエが実験動物学研究室を設立。コンカルノー、ナポリに次ぐ3番目の海洋研究所として誕生。
1881年: 養殖池を建設。
1891年/1906年: ラカーズ・デュティエ研究室の北翼を増築。
1934年: 所長邸を建設。
1938年: シャルル・ペレーズの水槽建設開始（1952年公開）。
1954年: イヴ・ドラージュ棟（西翼）を建設。
1958年: オテル・ド・フランスを購入し、食堂、会議室、宿泊施設を整備。
2006年: ガルフ・ストリームの建物を購入し、宿泊能力を増強。オテル・ド・フランスの食堂を移転。
2011年: マリンゲノミクス研究所を建設し、教育・研究体制を強化。

研究と教育

研究所では、約200名の研究者、教員、技術者、博士課程学生が、フランス国立科学研究センターの承認を受けた研究ユニットに所属し、様々な研究分野に取り組んでいます。研究内容は、生体高分子の構造と機能から地球規模の海洋研究まで多岐にわたり、特にゲノム解析に重点を置いています。マリンゲノミクス・ヨーロッパのネットワーク運営も行っています。

教育面では、ピエール・マリ・キュリー大学の修士課程やソクラテス計画の一環として、動物学、藻類学、生態学、沿岸海洋学などの教育を提供しています。

その他の活動

ロスコフ生物学研究所は、地域間ネットワークBiogenouestの一機関として、「配列決定と質量分析法の生物学への適応」技術プラットフォームを管理しています。また、1960年から国際科学雑誌「カイエ・ド・ビオロジー・マリン」を出版しており、ジャック・モノー・カンファレンスをはじめとする国内外の会議を年間12〜15回開催しています。

外部リンク

Station Biologique de Roscoff
* Histoire et patrimoine（Station Biologique de Roscoff）

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