ロストフ・ナ・ドヌー (潜水艦)

ロストフ・ナ・ドヌー

ロストフ・ナ・ドヌー（ロシア語: Ростов-на-Дону）は、ロシア海軍に所属する通常動力型潜水艦で、636.3型というNATOではキロ型潜水艦として知られています。これは、この艦の26番艦にあたります。ロストフ・ナ・ドヌーは黒海艦隊の第4独立潜水艦旅団に属し、歴史の中で重要な役割を果たしてきました。

艦歴の始まり

この艦は2011年11月21日に、サンクトペテルブルクのアドミラルティ造船所で起工されました。その後、2014年6月26日に進水を果たし、同年の12月30日には正式に就役しました。ロストフ・ナ・ドヌーはその後、ロシア海軍の操艦に従事し、様々な任務を遂行しました。

ウクライナ侵攻とその影響

2023年9月に、ロシアがウクライナに侵攻していた際、この潜水艦はクリミア半島のセヴァストポリで修理中でした。そのとき、ウクライナ空軍が発射したストーム・シャドウ巡航ミサイルにより艦体が損傷しました。この攻撃によって、ロシアの黒海艦隊に配備の4隻の巡航ミサイル搭載可能な潜水艦のうちの1隻が失われたと報じられました。イギリス国防省が公開した衛星写真から、艦の船体の周囲が黒く焦げ、外部から見ると大きな損傷が確認できます。

また、同時に、ドックの隣にいたロプーチャ級揚陸艦「ミンスク」も攻撃を受け、損傷を受ける結果となりました。アメリカの経済誌フォーブスは、ロストフ・ナ・ドヌーの損傷した船体の写真を9月18日に報じ、巡航ミサイルの直撃によって中央部分がめくれ上がっている様子が映し出されていました。

歴史的意義

ロストフ・ナ・ドヌーの廃艦が決定すると、これは第二次世界大戦以降、戦闘による潜水艦の喪失としては初めての出来事となります。フォークランド紛争中に大破したアルゼンチン海軍の「サンタフェ」以来、戦闘により潜水艦が失われることになります。報道によれば、この艦の修復よりも新たに代艦を建造した方が費用が安く済むとの見方も浮上しています。

沈没の報告

2024年8月3日、ウクライナ軍参謀本部は、再びセヴァストポリを攻撃し、ロストフ・ナ・ドヌーを沈没させたと正式に発表しました。この報告は艦の運命を決定づけるものであり、ロシア海軍にとっては大きな損失となりました。

ロストフ・ナ・ドヌーの歴史は、潜水艦が持つ戦略的重要性を物語っています。また、その運命は現代の地政学的な緊張を象徴する出来事といえます。

もう一度検索