ロス・アンデスのテレサ

テレサ・デ・ロス・アンデス：信仰に生きた聖女

テレサ・デ・ロス・アンデス（1900年7月13日 - 1920年4月12日）は、本名フアナ・フェルナンデス・ソラールといい、チリのカルメル会修道女であり、カトリック教会の聖人として知られています。彼女の生涯は短いながらも、神への深い愛と信仰に満ち溢れていました。

生い立ちと信仰

フアナは、チリのサンティアゴで裕福な貴族階級の家庭に生まれました。両親からは「フアニータ」という愛称で呼ばれ、幼い頃から敬虔なカトリック信者として育てられました。5歳頃から信仰を深め、聖母マリアへの特別な信心を持ち、ロザリオを熱心に唱えていました。信仰生活を送る一方で、乗馬や音楽などの教養も身につけ、学業においても優秀な成績を修めました。また、貧しい人々への思いやりを忘れず、困っている人々に手を差し伸べる優しい心の持ち主でした。

修道女への道

15歳の時、フアナは貞潔の誓いを立て、信仰に生きる決心をします。その頃から日記を書き始め、自身の内面と向き合い、神との対話を深めていきました。親交のあったカルメル会の修道院長から霊的な指導を受け、修道院に入ることを決意します。

1919年5月7日、フアナはロス・アンデスのカルメル会修道院に入り、修道女として新たな生活を始めます。修道名「イエスのテレサ」を名乗り、神への奉仕に身を捧げました。

突然の死と遺産

修道院に入って間もなく、テレサはチフスを発症します。激しい苦しみの中、彼女は病を受け入れ、神への信仰を 더욱深めていきました。1920年の聖週間の間には、病者の秘蹟を受け、修道女としての誓願を立てました。しかし、病状は悪化の一途をたどり、同年4月12日、わずか19歳という若さで帰天しました。

テレサの残した有名な言葉に「神だけで足りる(solo Dios basta)」というものがあります。この言葉は、彼女の神への絶対的な信頼と愛を表しており、多くの人々に感動を与えています。

聖人への道

テレサの死後、彼女が残した日記などの文書を通じて、その聖徳が広く知られるようになりました。その後、列聖調査が開始され、1987年にローマ教皇ヨハネ・パウロ2世によって列福されました。そして、1993年、ついに聖人として列聖されたのです。

テレサ・デ・ロス・アンデスの生涯は、私たちに信仰の深さと神への愛を教えてくれます。彼女の生き方は、現代を生きる私たちにとっても大きな प्रेरणाとなり、勇気を与えてくれるでしょう。


*出典：『ケリトの水にうるおされて』ペニー・ヒッキー編集、泰阜カルメル会訳（『カルメル霊性センターニュース』2012年1月号、2月号掲載、カルメル会上野毛修道院発行）

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