ロス248

ロス248（Ross 248）は、地球から約10.306光年離れた場所に位置する赤色矮星です。1925年に天文学者フランク・エルモア・ロスによって発見されました。その暗さゆえに、肉眼で直接観測することはできません。

物理的特徴

ロス248は、太陽系に比較的近い恒星系の一つですが、その大きさや明るさは太陽と大きく異なります。質量は太陽の約14%、半径は約16%と小さく、光度は太陽のわずか0.2%程度しかありません。そのため、見かけの等級は12等級と非常に暗く、観測には特殊な機材が必要となります。

変光星としての性質も持ち合わせており、黒点や彩層活動による光度変化が見られます。これは、りゅう座BY型変光星に分類される特徴で、1950年には、恒星として初めて黒点による光度変化が確認されました。この発見は、恒星の活動を研究する上で重要な一歩となりました。

現在までに、ロス248の周囲に他の恒星、褐色矮星、または太陽系外惑星は発見されていません。このことは、ロス248が単独で存在していることを示唆しており、他の恒星系とは異なる独自の進化を遂げている可能性があります。

太陽系との距離の変化

ロス248は、太陽系との距離が時間とともに変化する恒星の一つです。1993年に発表されたマシューズの研究によれば、約3万3000年後から約4万2000年後の約9000年間、ロス248は太陽系に最も近い恒星となることが予測されています。特に約3万6000年後には、太陽系からわずか3.024光年まで接近するとされています。この接近は、天文学的な観点から興味深い現象であり、将来の研究対象として注目されています。この接近時に、太陽系との間でどのような影響が生じるのかは、今後の研究によって明らかになるでしょう。

まとめ

ロス248は、小さく暗い赤色矮星でありながら、変光星としての活動や、将来的に太陽系に接近する可能性を持つ、非常に興味深い天体です。その物理的特徴や太陽系との距離の変化は、天文学的な研究において重要な情報を提供し続けています。

注釈

ロス248は、その特異な性質から、今後も様々な天文学的な研究対象として注目されるでしょう。
赤色矮星は、恒星の中でも特に寿命が長いと考えられており、ロス248も例外ではありません。

出典

SolStation.com　Ross 248（英語）

関連項目

近い恒星の一覧

外部リンク

* SolStation.com　Ross 248（英語）

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