ロッテルダム (揚陸艦)

ロッテルダム（HNLMS Rotterdam, L800）について

ロッテルダムは、オランダ海軍に属するドック型輸送揚陸艦（LPD）であり、この艦は主に海兵隊の展開と支援活動を目的としています。1980年代に設計が進められ1994年に建造契約が発注され、今ではオランダ海軍の中核をなす艦艇の一つとして運用されています。

来歴

オランダ海軍は当初、上陸用舟艇のみを保有していましたが、1950年代末には揚陸艦の配備を求める声が上がり始めました。1980年代初頭には、輸送揚陸艦（ATS）という形式が要求され、1984年から予備設計が始まりました。特に1990年にはスペイン海軍がこの計画に参加し、両国が共同で揚陸艦を建造する方針が固まりました。これにより、1994年に正式な建造契約が締結されたのです。

設計

ロッテルダムは、船体の前方に広がる箱型の上部構造と、後部にウェルドックを配置した典型的なドック型輸送揚陸艦のデザインを採用しています。また、経済面を考慮し、設計は商船規格に基づいて行われましたが、艦船としての必要な防御装備も整えています。さらに、船体にはバラストタンクが装備されており、揚陸時の傾斜を調整できる機能が備わっています。

能力

輸送揚陸機能

ロッテルダムは、完全装備の1個海兵大隊、すなわち611名を30日間収容できるよう設計されており、病院船機能として手術室や集中治療室、病床を完備しています。車両甲板は約903平方メートルあり、ここにはレオパルト2主力戦車や装甲兵員輸送車を搭載できるほか、ウェルドックにも艇を収容可能です。連絡エレベーターやRO-RO機能を用いて、迅速な物資輸送が実現されます。

航空運用機能

艦の後方には、ヘリコプター用のハンガーがあり、さまざまなサイズの輸送ヘリコプターを収容できるスペースがあります。艦尾甲板には発着スポットも整備されており、対潜戦においても活用できるようになっています。

個艦防御機能

対空捜索レーダーや火器システムを搭載することで、防御力の向上が図られています。特に、DA-08レーダーが配備されており、安定した防空能力を持っています。

艦歴

ロッテルダムは、1999年のコソボ紛争においてNATOの支援活動に従事し、また国際連合の派遣団にも参加しました。装備の近代化も進められ、その結果、最新の対空レーダーが装備されることとなりました。

まとめ

ロッテルダムはその多機能性と高い運用能力から、オランダ海軍の重要な資産となっており、国際的な任務にも積極的に参加する艦艇です。

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