ロッテ浦和工場

ロッテ浦和工場は、埼玉県さいたま市南区に位置する、菓子メーカー株式会社ロッテの主要な生産拠点です。

概要

JR埼京線および武蔵野線の武蔵浦和駅から南へ約300mという、交通至便な立地にあります。周囲には高層マンションが立ち並ぶエリアです。ロッテが国内に持つ工場の中で最大級の規模を誇り、特にチョコレートやアイスクリームの生産においては、日本でも有数の生産能力を持つ工場として知られています。約700人の従業員が勤務し、敷地面積は約129,000平方メートルに及びます。

工場施設は、2006年以降、老朽化や生産能力増強のために大規模な建て替えと増設が進められました。かつて第1工場があった場所には最新鋭の第6工場が、第3工場跡地には第7工場が建設されています。1974年に建てられた工場事務所棟も、耐震補強工事が施されています。

敷地内には、菓子だけでなく健康食品などの研究開発を行うロッテ中央研究所も併設されています。この研究所は2010年に建て替えられ、以前は川越市にあったアイスクリームの研究開発部門も統合し、全てのロッテ製品に関する研究開発、分析を行う一大拠点となりました。チューインガム、チョコレート、ビスケット、キャンディといった既存製品に加え、特定保健用食品や食品素材の基礎研究なども行われています。

また、工場敷地の南側にはロッテ浦和球場があり、プロ野球球団「千葉ロッテマリーンズ」の二軍の本拠地として使用されています。

沿革と施設の変遷

ロッテ浦和工場は1964年に開設されました。その後の生産量拡大に伴い、設備の拡充が図られます。

2006年には、チョコレートなどの増産に対応するための工場増設の検討が開始されました。
2009年には、チョコレート生産を担う地上5階建ての第4工場と、カカオ豆処理を行う地上5階建ての第5工場、そして研究開発を統合する地上4階建ての総合研究棟の建設に着手しました。総合研究棟は2010年6月に竣工し、川越市にあったアイスクリームの研究部門を移転・統合して、新生・中央研究所として機能を開始しました。

2013年には、開設以来チョコレートを生産してきた敷地北部の第1工場が解体され、跡地に新たな工場建設計画が始動しました。同年10月15日には、アイスクリーム生産を目的とした第6工場（地上7階建て、高さ37m）が着工し、2015年3月に竣工しました。この第6工場は国内最大級のアイスクリーム工場として、同年6月から本格的に稼働しています。

さらに、敷地南部にあった第3工場も2017年12月に解体され、跡地に新たな第7工場が着工。この第7工場は2019年2月に竣工しています。

鉄道との関連

かつて日本国有鉄道（現JR）が埼京線の建設を進める際、工場敷地の一部を車両基地用地として買収する計画がありましたが、工場側がこれに反対しました。その結果、埼京線の車両基地は工場敷地ではなく、川越線を電化して同線と埼京線を直通運転させることとし、川越線の指扇駅と南古谷駅の間に川越車両センターが建設されることになりました。

工場見学

ロッテ浦和工場は、埼玉県内でも有名な工場見学スポットの一つとして、多くのメディアでも取り上げられています。主に小中学生や親子連れの団体を対象としており、参加は無料ですが、原則として希望日の2週間前までに事前の予約が必要です。特に夏休み期間などは見学希望者が多く、抽選となる場合があります。

2020年2月には、新型コロナウイルス感染拡大の影響で見学が一時休止されましたが、2022年5月には工場見学施設が「ロッテ おかしの学校」としてリニューアルされ、見学が再開されています。

所在地

埼玉県さいたま市南区沼影3-1-1

周辺施設

沼影公園（沼影市民プールを含む）
武蔵浦和SKY&GARDEN（複合施設）
さいたま市立沼影小学校

関連項目

株式会社ロッテ
ロッテ浦和球場
埼京線（東北・上越新幹線建設に伴う周辺環境の変化に関連する事項）

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