南古谷駅

南古谷駅

埼玉県川越市大字並木に位置する、東日本旅客鉄道（JR東日本）川越線の駅です。駅名の読み方は「みなみふるやえき」となります。

歴史

南古谷駅は、1940年（昭和15年）7月22日に開設されました。開業当初から鉄道輸送の一翼を担ってきました。

駅設備の近代化も順次行われ、1958年（昭和33年）2月には、分岐器が発条転轍器（スプリングポイント）に改良されました。貨物輸送や荷物輸送もかつては取り扱っていましたが、時代の移り変わりとともにその役割は縮小し、1963年（昭和38年）3月16日に貨物取扱が廃止され、続いて1984年（昭和59年）2月1日には荷物扱いも終了し、旅客輸送が主たる業務となりました。

当駅にとって重要な転換点となったのは、1985年（昭和60年）9月30日です。この日、川越線は電化が実現し、同時に埼京線との相互直通運転が始まりました。これにより、南古谷駅は川越線内の他の駅の信号を管理する「制御駅」としての機能を持つことになりました。国鉄の分割民営化に伴い、1987年（昭和62年）4月1日からはJR東日本の駅として運営されています。

旅客向け設備の拡充も進みました。1996年（平成8年）3月6日には自動改札機が設置され、利用者の利便性が向上しました。さらに、2001年（平成13年）11月18日からは交通系ICカード「Suica」による乗降が可能となりました。切符購入に関しては、2008年（平成20年）1月19日に指定席券売機が導入されましたが、同年3月1日をもって「みどりの窓口」の営業は終了しています。

2009年（平成21年）3月14日のダイヤ改正では、これまで旅客用として使用されていなかった3番線ホームが活用されるようになり、当駅を始発とする大宮方面行きの列車が設定されました。近年の組織変更として、2021年（令和3年）12月1日には川越駅の被管理駅となり、駅業務のうち旅客営業に関する一部はJR東日本ステーションサービスに委託される形態となりました。さらに、2022年（令和4年）10月1日からは大宮営業統括センターの所属となっています。

駅構造

南古谷駅は地上駅で、ホームは2面、線路は3線を有しています。具体的には、単式ホームが1面につき1線、島式ホームが1面につき2線です。3番線ホームは主に当駅始発となる大宮方面行きの列車が利用します。この駅で運転が終了する折返し列車は設定されていません。

駅舎は、同じ川越線内の日進駅や指扇駅に以前存在した駅舎と外観がよく似ています。改札口は、南側の川越方面行きホーム側にのみ設けられています。

駅の運営体制は特徴的で、営業面では大宮営業統括センターの管轄下にあり、川越駅の管理を受ける立場（被管理駅）ですが、列車の進路を制御する運転取扱業務においては、川越駅を含む川越線内のすべての駅の信号を扱う「制御駅」としての役割を担っています。また、切符の販売や改札といった旅客営業業務の一部は、JR東日本ステーションサービスへの業務委託という形で運営されており、一部業務委託駅と位置づけられています。早朝や日中・夜間の一部時間帯には、お客さまサポートコールシステムによる遠隔対応が導入されており、改札係員が不在となる時間帯があります。設備面では、指定席券売機やSuicaに対応した自動改札機のほか、バリアフリー対応としてエレベーターや多機能トイレが設置されています。

駅の北側には、将来的な利用を見込んだ北口用の敷地が確保されていますが、現在は公園や駐車場として利用されています。川越市では、2018年度（平成30年度）から始まった「南古谷駅周辺地区都市再生整備計画」に基づき、駅周辺のさらなる整備を進めています。この計画には、2022年度（令和4年度）までの事業として、駅の橋上化、新しい北口広場の新設、既存の南口広場の改良、そして周辺の都市計画道路である南古谷伊佐沼線や市道0039号線の整備などが盛り込まれており、事業が進行中です。

線路の配置を見ると、現在の上下主本線に加え、上り方面に副本線が設けられており、これは将来的な複線化を見据えた構造となっています。駅の東側には車両センターへの出入庫線があり、車両センター敷地内から駅までの本線南側にも、将来の複線化に備えた用地が確保されていますが、複線化自体の具体的な計画はまだ策定されていません。

のりば

南古谷駅のホーム構成と主な行先は以下の通りです。


※1番線は、下り列車の進入にも使用されることがあります。

利用状況

2023年度（令和5年度）における1日平均の乗車人員は7,873人でした。JR川越線において、大宮駅と川越駅の間にある他の駅と比較すると、南古谷駅の利用客数は最も少ない状況です。JR東日本および埼玉県統計年鑑によると、1990年度以降のデータでは、乗車人員は概ね増加傾向にあります。

駅周辺

当駅周辺は、かつては川越線で川越駅より東側に位置する駅の中では、最も開発が遅れている地域の一つでしたが、近年その様子は変わりつつあります。駅南側での区画整理事業の進展や、駅北側における大型マンションの建設、さらにはショッピングセンターの開業などにより、地域の発展が進んでいます。

バス路線

駅からは、以下のバス路線が利用できます。

西武バス：主に上赤坂方面や本川越駅方面へ向かう路線。
コミュニティバス「川越シャトル」：埼玉医科大学や新河岸駅方面へ向かう路線。

隣の駅

東日本旅客鉄道（JR東日本）■川越線

通勤快速・快速・各駅停車： 指扇駅 - 南古谷駅 - 川越駅
各駅停車（八高線方面直通）： 南古谷駅 → 川越駅

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