ロッテ百貨店

ロッテ 百貨店

韓国を代表する最大手の百貨店チェーン、それがロッテ百貨店です。韓国内の流通・小売業界において重要な地位を占めるロッテグループの中核企業であり、経営はロッテショッピング株式会社（1979年設立）が行っています。同社は百貨店事業のほか、ロッテマートのようなディスカウントストアやロッテスーパーといったスーパーマーケットなども傘下に収める巨大な流通企業体です。

国内外に広範な店舗ネットワークを構築しており、韓国内には現在32店舗を展開しています。さらに、海外市場にも積極的に進出しており、中国に5店舗、ベトナム、インドネシア、ロシアにそれぞれ1店舗を設けています。

歴史と本店

ロッテ百貨店の歴史は、1979年にソウル特別市中区、賑やかな明洞地区近くに本店が開業したことから始まります。この本店は現在も多くの買い物客で賑わうフラッグシップ店舗です。国際的な連携も早くから行っており、1982年には日本の髙島屋と提携を結んでいます。

店舗展開

ロッテ百貨店は、韓国国内の主要都市に幅広く店舗を展開しています。ソウル特別市内には、本店をはじめ、若者向けのヤングプラザ明洞店、高級ブランドを扱う名品館Avenuel本店、さらには蚕室店、永登浦店、江南店、蘆原店など、多数の店舗を有しています。ソウル以外の広域市でも、釜山の釜山本店やセンタムシティ店、大邱店、仁川ターミナル店、大田店、光州店、蔚山店など、地域の中核となる店舗を構えています。その他、京畿道を中心に全国各地に店舗を展開し、韓国全土をカバーするネットワークを築いています。

一方で、過去には営業を終了した店舗も存在します。例えば、仁川店は2002年の開店から2019年2月まで、富平店（旧東亜シティ百貨店を買収）は1999年の開店から2019年6月まで営業しました。また、ヤングプラザ大邱店（2007年開店）や安養店（2002年開店）も2019年に閉店しています。

特徴的な取り組み

ロッテ百貨店は、伝統的な小売業の枠を超えた様々な取り組みを行っています。

愛国心・独島マーケティング

企業のアイデンティティとして「愛国心」を重視する姿勢も見られます。かつての社長である李哲雨氏は、職員の昇進試験に韓国史を取り入れたり、店舗の外壁に太極旗の掲揚を指示するなど、愛国心の重要性を強調しました。さらに、領土問題に関連する「独島（竹島）」に関するマーケティングも実施しています。2005年には独島の写真入りタオルを配布するイベント、2007年には独島への旅行券などを賞品とした動画コンテスト、2013年には「独島の日」に合わせたフラッシュモブや粘土作り大会など、独島をテーマにした様々なキャンペーンを展開しました。

スマートショッパーサービス

テクノロジーを活用した先進的な顧客サービスにも積極的です。2016年10月には、盆唐店の食品売り場に百貨店業界で初めて「スマートショッパーサービス」を導入しました。これは、顧客が専用端末で商品のバーコードを読み取るだけで買い物を進め、購入商品は後で自宅に配送される仕組みです。これにより、顧客は重い荷物を持つことなく、快適にショッピングを楽しむことができます。ロッテ百貨店は、このサービスを将来的には全店舗に拡大する計画があることを示唆しています。

その他の情報

日本の金融機関であるみずほ銀行が提供するみずほマイレージクラブのパートナー企業の一つであり、提携サービスを提供しています。

ヤングプラザ明洞店が使用している建物は、歴史的に見ても特徴的です。日本統治時代には丁子屋百貨店として建設され、戦後は美都波百貨店明洞店として利用されていました。この歴史ある建物を、2003年11月に韓国初のヤングファッション専門館としてリニューアルしたものが現在のヤングプラザ明洞店です。

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