ロットリング

ロットリング（rOtring）

ロットリングは、ドイツのハンブルクに本社を置く、世界的に有名な筆記具メーカーです。その製品は、バウハウスのデザイン哲学に深く影響を受けており、機能美と実用性を兼ね備えたデザインが特徴です。特に、1953年に開発された製図ペンは、その精密な構造と安定したインク供給により、製図の世界に大きな変革をもたらしました。

歴史

ロットリングの歴史は、1928年に創業者のウィルヘルム・リープがアメリカ旅行中に、あるペンからインスピレーションを得たことから始まります。彼は、ペン内部の管と針の間から一定量のインクが出る中空パイプ式の万年筆を考案しました。

1931年、リープは自身の会社であるリープ社を設立し、中空パイプ式の万年筆「ティンテンクリ」の製造を開始しました。これがロットリングの前身となります。しかし、第二次世界大戦の激化に伴い、1944年に会社は一時閉鎖を余儀なくされました。

1990年代以降、CADシステムの普及により製図分野の電子化が急速に進み、ロットリングの製図ペンなどの販売量は激減しました。しかし、その高い品質とデザイン性から、現在でも多くのファンに支持されています。

製品

ロットリングは、製図ペンだけでなく、様々な筆記具を製造しています。主な製品は以下の通りです。

現行製品

ラピッドグラフIPL (製図ペン)：精密な線を描くための製図ペン。
イソグラフIPL：ラピッドグラフと同様に製図に使用されるペン。
ロットリング500、600、800、800+シリーズ：製図用シャープペンシル、ボールペンなど、多様なラインナップ。
ラピッド、ラピッドプロ：プロフェッショナル向けの筆記具。
600 3in1：1本で3つの機能を持つ多機能ペン。
ロットリング・アートペン：イラストやデザインに適したペン。

過去の製品

ロットリングは、過去にも多くの優れた製品を開発・販売してきました。

シャープペンシル: ロットリング300, 400, 700（数字シリーズ）、ラピッド、ティッキーⅡ、ティッキースペシャル、ティッキーダブルプッシュ、コア、アルトロ。
製図ペン: バリアント、ラピッドグラフ、ティク、マイクロノーム。
多機能ペン: ロットリング4in1、ロットリングトリオペン。
万年筆

製品の特徴

ロットリングの製品は、その精密な構造と使いやすさが特徴です。製図ペンは、定規に当てて線を引く際に、ペン先がぶれることなく、均一な線を引くことができます。また、一定量のインクが出続ける仕組みにより、スムーズな筆記が可能です。

製図用シャープペンシルは、精密な図面を引くために、細い線でも折れにくい芯を使用し、使い心地の良いデザインを採用しています。

日本での展開

日本では、ホルベイン画材がロットリングの代理店を務めています。ホルベイン画材を通じて、ロットリングの製品は全国の文具店や画材店で販売されています。

関連事項

製図ペン：製図に特化したペン。
ミリペン：製図ペンに似た、細かい線を描くためのペン。
カラス口：かつて製図で使用されていた、インクをためて使用する筆記具。

外部リンク

ロットリング公式サイト

ロットリングは、その歴史の中で培われた技術とデザインにより、世界中のユーザーに愛され続けています。これからも、その革新的な製品開発に注目が集まります。

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