ロバート・カーニー

ロバート・ボストウィック・カーニー：アメリカ海軍の重鎮

ロバート・ボストウィック・カーニー（通称ミック）は、1895年3月26日にカリフォルニア州で生まれ、1990年6月25日に95歳で亡くなったアメリカ海軍の軍人です。最終階級は大将。

海軍軍人としてのキャリア

カーニーは、1916年に海軍兵学校（アナポリス）を卒業しました。同期には、後に太平洋艦隊司令長官や統合参謀本部議長を務めたアーサー・W・ラドフォード、カーニーの前の海軍作戦部長であるウィリアム・フェクテラーなどがいます。

第一次世界大戦では、駆逐艦「ファニング」に乗り組み、ドイツのUボート撃沈作戦に参加。その功績により表彰されました。

戦間期には、戦闘艦隊司令長官の幕僚を務めたほか、戦艦や巡洋艦で砲術士官、駆逐艦や輸送艦の艦長などを歴任。また、艦隊訓練部隊司令や海軍長官のオフィス勤務も経験しました。

第二次世界大戦では、太平洋方面で海軍航空隊司令官を務めた後、大西洋方面へ異動し、輸送船団の護衛任務に従事。その後、軽巡洋艦「デンバー」の初代艦長としてソロモン諸島の戦いに参加し、ビラ・スタンモーア夜戦で日本海軍の駆逐艦を撃沈する戦果を挙げました。

1943年、カーニーはウィリアム・ハルゼー提督の参謀長に抜擢されました。ハルゼーの参謀長として、南太平洋方面の作戦を支援し、レイテ沖海戦ではハルゼーの動揺を鎮め、艦隊の立て直しに貢献しました。

終戦後、カーニーは中将に昇進し、海軍作戦副部長を務めました。その後、南ヨーロッパ方面のNATO部隊司令官と第6艦隊司令長官を兼任し、ナポリに駐在しました。1953年には、アメリカ海軍作戦部長に就任し、1955年に退役しました。

人となりと逸話

カーニーは、その卓越した軍事能力とリーダーシップで知られていますが、一方で、率直で時に手厳しい一面も持っていました。

戦闘艦隊司令長官の幕僚時代には、上司であるルイス・R・デ・スタイガー大将に対し、面と向かって「貴殿は『雌犬の最悪な腐った息子』だと思う」と言い放ったという逸話が残っています。しかし、デ・スタイガー大将はその非礼を詫び、カーニーの働きぶりを評価しました。このエピソードは、カーニーの正直で物怖じしない性格を物語っています。

レイテ沖海戦では、ハルゼー提督がニミッツ提督からの電報を読み、動揺して泣き出した際、カーニーがハルゼーを落ち着かせたというエピソードもあります。このことから、カーニーが非常に冷静沈着で、危機的な状況でも的確な判断ができたことがわかります。

その後

退役後、カーニーはバス鉄工所会長など、主に防衛産業に関わる企業の会長職を歴任しました。1990年にワシントンD.C.で亡くなり、アーリントン国立墓地に埋葬されました。

カーニーの功績を称え、アーレイ・バーク級ミサイル[[駆逐艦]]の14番艦に「カーニー」という名前が付けられました。

結論

ロバート・ボストウィック・カーニーは、第二次世界大戦から冷戦期にかけて、アメリカ海軍の重要な局面で活躍した軍人です。その軍事的な才能、リーダーシップ、そして率直な人柄は、多くの人々に影響を与えました。彼の生涯は、アメリカ海軍の歴史において、重要な足跡を残したと言えるでしょう。

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