ロバート・ハリス (画家)

ロバート・ハリス: カナダの肖像画家

ロバート・ハリス（1849年9月18日 - 1919年2月27日）は、ウェールズ出身でカナダに移住した画家として名高い。彼は連邦結成の父祖たちを描いた肖像画で特に著名で、その作品は今も多くの人々に親しまれている。彼の芸術家としての道は、幼少期に家族と共にプリンスエドワード島に移住したことから始まった。

ハリスは、ウェールズ北部のコンウィで生まれた後、リヴァプールを経由して新天地へ向かい、美術に対する興味を育てた。やがてボストンで美術を学び、さらにロンドンのスレイド美術学校へ進学した。のちにパリでは、著名な画家レオン・ボナの指導を受けたことが、彼の技術向上に大きく寄与した。

多くの地域を旅し、最終的にモントリオールに定住することとなるハリスは、1883年に連邦結成の父祖たちの肖像画を描く依頼を受ける。この作品が及ぼした影響により、彼は肖像画家としての評価を確立し、その後も政治家や著名人など、多様な人物の肖像画を手がけるようになる。

ハリスは、特にトロントの新聞『The Globe』から依頼を受けた際、悪名高きドネリー一家の事件に関連する被疑者たちの肖像を描くなど、幅広いテーマに挑戦し続けた。彼はまた、王立カナダ美術院（RCA）の創設メンバーでもあり、1893年にはその院長に選出されたことが、彼の地位をさらに確固たるものにした。

彼の作品のいくつかは重要な美術館に収蔵されており、特にシャーロットタウンのコンフェデレーションセンター・オブ・ジ・アーツには多くの作品が展示されている。特筆すべきは「A Meeting of the School Trustees」という作品で、これはプリンスエドワード島の教師ケイト・ヘンダーソンが学校の理事と向き合う場面を描いており、1980年にはカナダの切手に採用され、さらには短編映像シリーズ『Heritage Minutes』でドラマ化もされている。

私生活では、ハリスは結婚していたが、子どもを持つことはなかった。彼の弟は建築家のウィリアム・クリッチロー・ハリスであり、芸術に対しても積極的な関心を抱いていた。また、従妹のキャスリーン・モリスの作品にも理解を示し、支援を続けた。

ハリスの影響力は、彼の生きた時代を超え、現代のアーティストにも影響を与えている。彼の作品は、カナダの美術史において重要な位置を占め続けることだろう。

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