ロバート・ハリス (1948年生)

ロバート・ハリスは、1948年9月20日に神奈川県横浜市で誕生した、DJおよび作家です。英国ウェールズ出身で英語教育者だった父J・B・ハリスと、日本人の眼科医である母平柳富美子の間に生まれ、日本とイギリスのクオーターとして育ちました。日本名は平柳 進（ひらやなぎ すすむ）といいます。彼には2人の弟がいましたが、すでに他界しています。父方の祖母である平柳うらは千葉県出身です。

セント・ジョセフ・インターナショナル・カレッジで学んだ後、上智大学に進学。在学中にアメリカ・カリフォルニアへ留学し、異文化に触れる経験を積みました。大学卒業後の1971年には、広い世界を自身の目で見るため東南アジア各地を放浪。特にインドネシアのバリ島には約1年間滞在し、現地の文化や生活に深く関わりました。この放浪の旅は、後の彼の作品や人生観に大きな影響を与えています。

その後、オーストラリアへ渡り、約16年間にわたりシドニーで生活しました。この地では、ユニークな書店兼画廊「EXILES（エグザイルス）」を経営し、様々なアーティストや旅行者、文化人との交流を深めました。また、オーストラリア放送協会（ABCオーストラリア）では日本映画の英語字幕制作に携わったほか、テレビ映画の製作にも関わるなど、メディア業界での経験も積みました。しかし、この時期には、ある出来事がきっかけで犯罪を犯し、罰金を支払わなかったために数週間にわたり刑務所に収監されるという、波乱万丈な経験もしています。これらのオーストラリアでの日々は、彼の代表作の一つである小説『エグザイルス』にも描かれています。

オーストラリアでの長い滞在を終え日本に帰国したロバート・ハリスは、その豊富な海外経験と独自の視点を活かし、ラジオパーソナリティとして新たなキャリアをスタートさせました。特にJ-WAVEで多くの番組を担当し、深夜から日中まで幅広い時間帯で、自身の哲学や旅の話、音楽などを通してリスナーとの間に独特な関係を築き上げました。飾らない語り口と知的な内容は、多くの支持を得ました。

作家としても精力的に活動し、自身の旅の経験や人生観を綴ったエッセイ、小説、ノンフィクションなど、数多くの著作を発表しています。人生における冒険や自由、そして多様な生き方を肯定するメッセージは、多くの読者に影響を与えています。代表作には、オーストラリアでの日々を描いた『エグザイルス』、内面的な旅をテーマにした『ワイルドサイドを歩け』、人生の目標設定を促す『人生の100のリスト』などがあります。彼の作品は、常に既成概念にとらわれない生き方を問いかけています。共著や海外書籍の翻訳も手がけています。

長年にわたり、日本のラジオ界で欠かせない存在として活動を続けています。現在も、InterFM897およびJFN系列で放送されている人気番組『Otona no Radio Alexandria』のパーソナリティを務め、大人のリスナーに向けて上質な音楽とトークを届けています。また、地域FM局や会員制のネット配信でも自身の番組を持っています。

過去には、J-WAVEを中心に以下のような多数の番組を担当しました。

『Across The View』
『POST MERIDIAN』
『MOTHER LABYRINTH』
『BMW SENSE & EMOTION』
『SUBARU PARADISE GARAGE』
『DoCoMo Beat On The Road』
『MIDNIGHT GARDEN』
他多数

ラジオ以外では、テレビ番組にも出演経験があります。

『ウゴウゴ・ルーガ』（フジテレビ）
『カイジGAME1』（フジテレビ）
『熱中時間』（NHK）
他多数

私生活では、オーストラリア滞在中に最初の結婚をし、息子をもうけましたが後に離婚。日本帰国から数年後に再婚し、1998年頃に娘が誕生しています。

2024年10月4日には、自身がパーソナリティを務めるラジオ番組『Otona no Radio Alexandria』の放送中に、初期の食道がんを罹患していることを公表しました。この発表は多くのリスナーに衝撃を与えましたが、治療に専念しつつ可能な範囲で活動を続ける意向を示しています。

ロバート・ハリスは、その波乱に満ちた人生経験と多様な才能を通じて、日本のメディアと文化シーンにおいて独自の地位を築いています。旅、自由、そして自己探求をテーマにした彼のメッセージは、今後も多くの人々に影響を与え続けるでしょう。

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