ロバート・ハーディ (俳優)

ロバート・ハーディ：英国演劇界の巨匠

ロバート・ハーディ（1925年10月29日 - 2017年8月3日）は、20世紀後半から21世紀にかけて活躍した、英国を代表するベテラン俳優です。本名はティモシー・シドニー・ロバート・ハーディ。チェルトナムに生まれ、名門オックスフォード大学モードリン・カレッジで英文学を専攻しました。在学中は、J・R・R・トールキンやC・S・ルイスといった巨匠の薫陶を受け、豊かな教養を身につけました。

第二次世界大戦中は空軍に所属し、祖国への奉仕を果たしました。戦後、俳優としてのキャリアをスタートさせ、シェイクスピア劇を中心に舞台で活躍。その演技力は高く評価され、古典劇から現代劇まで幅広い役柄を演じきりました。

映画界でも存在感を示し、数々の作品に出演。その代表作の一つが、世界的に大ヒットを記録した『ハリー・ポッター』シリーズです。同シリーズでは、魔法大臣コーネリウス・ファッジ役を『ハリー・ポッターと秘密の部屋』から『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』まで務め、独特の存在感で観客を魅了しました。

さらに、ハーディはウィンストン・チャーチルを実に8回も演じたことでも知られています。歴史上の偉人を演じる際には、その人物像を深く理解し、徹底的な研究を重ねていたと言われています。その高い演技力は、チャーチル役においても遺憾なく発揮され、高い評価を得ました。

多岐にわたる役柄を演じ分けた彼のキャリアは、映画やテレビドラマにも及びます。スパイもの、戦争もの、歴史劇など、ジャンルを問わず数多くの作品に出演し、高い評価を獲得しました。出演作は実に多岐にわたり、『寒い国から帰ったスパイ』、『ジョン・レノンの僕の戦争』といった名作から、『ハリー・ポッター』シリーズ、『シベリアの理髪師』といった話題作まで幅広く、彼の多様な演技力とキャリアの長さを物語っています。

主な出演作品としては、以下のものがあげられます。

映画
雷撃命令 (Torpedo Run, 1958)
寒い国から帰ったスパイ (The Spy Who Came in from the Cold, 1965)
ジョン・レノンの僕の戦争 (How I Won the War, 1967)
姿なき殺人 (Berserk!, 1967)
10番街の殺人 (10 Rillington Place, 1971)
戦争と冒険 (Young Winston, 1972)
ハリー・ポッターと秘密の部屋 (Harry Potter and the Chamber of Secrets, 2002)
ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 (Harry Potter and the Prisoner of Azkaban, 2004)
ハリー・ポッターと炎のゴブレット (Harry Potter and the Goblet of Fire, 2005)
ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 (Harry Potter and the Order of the Phoenix, 2007)

テレビドラマ
デイヴィッド・コパフィールド (David Copperfield, 1956)
エリザベス R (Elizabeth R, 1971)
ミセス・コロンボ (Mrs. Columbo, 1979)
シャーロック・ホームズの冒険 (The Adventures of Sherlock Holmes, 1992) - チャールズ・オーガスタス・ミルヴァートン役
ラストキングダム 10番目の王国 (The 10th Kingdom, 2000)
シャクルトン～南極海漂流からの生還～ (Shackleton, 2002)
* リトル・ドリット (Little Dorrit, 2008)

1981年には、英国文化への貢献が認められ、大英帝国勲章CBEを授与されました。

2017年8月3日、ロンドン郊外の老人ホームで91歳で死去しました。彼の死は、英国演劇界に大きな悲しみをもたらしました。しかし、彼の残した数々の名演は、これからも人々の記憶に残り続けるでしょう。彼の功績は、これからも称え続けられることでしょう。

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