天文電報中央局

天文電報中央局（Central Bureau for Astronomical Telegrams, CBAT）

天文電報中央局は、宇宙における突発的な現象に関する情報を扱う非営利の情報センターです。この組織は、主に新たに発見された彗星や超新星などの天体に関する情報発信を行い、国際天文学連合によるさまざまなニュースの伝達を担っています。

概要

CBATは、1922年から「国際天文学連合回報（IAUC）」という形で、彗星、衛星、新星、超新星をはじめとする新たな天体の情報を不定期で発信してきました。当初は郵便による配信が主でしたが、緊急の際には電報が利用されていました。1992年には電報での配信が終了しましたが、当時の慣習を受け継いで「電報」という名称が今も使われています。2002年以降は、CBET（Central Bureau Electronic Telegrams）が電子メールを通じて配信されています。この変更により、迅速かつ効率的に情報が提供されるようになりました。

CBATの資金は、事務局が提供する多様なサービスへの加入によって支えられています。また、寄付が奨励されており、これにより活動の幅が広がっています。2008年から2010年にかけては、アメリカ国立科学財団からの助成を受けるなど、資金源の多様化が進められました。さらに、1998年から2010年にかけては、スミソニアン天体物理観測所（SAO）内の小惑星センターと協力し、特別なコンピュータを使用して運営されていました。現在は、ハーバード大学の地球惑星物理学教室の新しいコンピュータによって運営されています。

歴史

CBATの起源は1882年にさかのぼります。ドイツのキールで設立され、新しい天体の情報を発信することを目的としました。第一次世界大戦後の1920から1922年にかけてはベルギーのユックルに移転し、1932年にはIAUCの第1号が発信されました。その後1922年に、IAUの第6委員会の監督下に置かれることになり、コペンハーゲン大学のコペンハーゲン天文台が中央事務局として機能を開始しました。天文台の長、エリス・ストレームグレンは、IAUCの通巻番号を1号に巻き戻し、郵送の利便性を考慮して葉書サイズのフォーマットに変更しました。

1965年には、中央事務局がコペンハーゲン天文台からハーバード大学のキャンパスへ移転し、ハーバード・スミソニアン天体物理学センター（CfA）が運営を担当することになりました。2010年には新たにEPS/Harvardに運営が移管され、現在に至ります。

CBATは1922年から2015年までIAU第6委員会の監督下にありましたが、2015年にその委員会が解散し、以降は独自に運営されています。この組織は、宇宙の変化を捉える重要な役割を果たし続けており、今後も多くの天文学者や愛好者にとって貴重な情報源となることでしょう。

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