ロバート・パターソン (軍人)

ロバート・パターソンの生涯

ロバート・パターソン（1792年-1881年）は、アメリカ合衆国の陸軍少将として、米墨戦争と南北戦争で重要な役割を果たした軍人である。アイルランドのティロン県カッパークに生まれた彼は、家族の事情で1799年にアメリカに移住した。移住後は、意欲的に働き、銀行業界に関わりつつ公立学校で教育を受け、フィラデルフィアの会計事務所で事務員としてのキャリアを始めた。

米英戦争への参加

1812年から1815年にかけての米英戦争の際、パターソンは軍務に志願し、第2ペンシルベニア民兵隊の大尉として部隊の指揮を執る。その後、大佐に昇進し、陸軍に参入、主計総監部で働くことになった。戦争終了後、ペンシルベニア州の政治界で影響力を持つ存在となった。

米墨戦争の活動

1846年に開戦した米墨戦争では、パターソンは少将として軍に志願した。その後、タンピコ遠征の際に占領軍の第2師団長を務め、さらにはベラクルス遠征でも重要な指揮官とされていたが、この任務はウィンフィールド・スコットに委譲される。しかし、彼は志願兵部隊の指揮官としてベラクルス包囲戦やセルロ・ゴードの戦いに参加し、特にセルロ・ゴードの戦いでは負傷してしまった。戦闘の後、アメリカ軍を率いてメキシコ軍を追撃し、ハラパ町に最初に入城した。この戦いの後、志願兵部隊の任務期間が満了し、パターソンはアメリカに戻る。その後は事業経営に復帰し、特に綿糸工場を運営しながら成功を収めることになる。

南北戦争での指揮

南北戦争が勃発すると、再び軍務に戻ったパターソンはペンシルベニア志願兵隊の少将として指揮を執る。1861年には、陸軍総司令官ウィンフィールド・スコットからハーパーズ・フェリーの奪還に関する命令を受けたが、行動に移すことができず、ホークスランの戦いで敵軍に裏を取られた。その結果、バージニア州のウィンチェスターにいる南軍のジョセフ・ジョンストン准将が第一次ブルランの戦場に間に合う可能性を与えてしまった。このため、パターソンは敵軍を食い止められなかったとして広く非難を受け、最終的には不名誉な解任をされ、1861年7月には陸軍から除隊された。

戦後の活動

戦後、パターソンは再び綿糸製造業に戻りつつ、自身の経験を記した著作『1861年のシェナンドー渓谷における作戦の叙述』を1865年に発表した。さらに、1867年から1881年までアステック・クラブ1847の会長を務め、組織に貢献した。1881年、フィラデルフィアで病を得てこの世を去り、ローレルヒル墓地に埋葬された。彼の息子であるフランシス・エンゲル・パターソンと義理の息子ジョン・ジョセフ・アバークロンビーもまた南北戦争で北軍の将軍として活躍した。彼の人生は、アメリカ合衆国の歴史において重要な役割を果たした一人の軍人の物語といえるだろう。

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