ロバート・ベイコン

ロバート・ベイコン（Robert Bacon）

ロバート・ベイコンは1860年7月5日にマサチューセッツ州ジャマイカプレインで生まれた、アメリカ合衆国の実業家であり政治家、外交官です。彼の父はウィリアム・B・ベイコン、母はエミリー・C・ロウで、1880年にハーバード大学を卒業した後、世界一周の旅に出ました。1883年にはマーサ・ウォルドロン・カウディンと結婚し、4人の子供をもうけました。

彼の企業キャリアは1881年にボストンのリー・ヒギンソン社でスタートし、1883年から1894年まではE・ロリンズ・モース・ブラザー社で管理職として働きました。その後、1894年にはニューヨークのJPモルガンに参加し、ここで共同経営者として名を馳せました。ベイコンは1901年のUSスチール社創設や1904年のノーザン証券社設立においても重要な役割を果たし、特に投資銀行業務では「右腕」として知られていました。

政府でのキャリアが始まったのは1905年、国務長官エリフ・ルートから賞賛を受け、国務次官補に任命されたことからです。彼は1906年にルートが南アメリカを歴訪している間、国務長官の職務を代行し、1909年にはセオドア・ルーズベルト大統領によって国務長官に就任しました。国務長官としての彼の重要な業績の一つは、パナマ運河に関する条約の上院での承認を得たことです。その後、国務長官を退任した1912年まで、駐仏大使としても務めました。

第一次世界大戦の時期には、彼は軍の支援活動にも関与しました。特に、1917年にはジョン・パーシング将軍の参謀に任命され、戦争の状況を見極めつつその後も戦局に影響を与えました。1918年には中佐に昇進し、イギリスの連合国最高司令官総司令部で軍事使節長を務めることになりました。これにより、彼は再び国際舞台での外交にも貢献しました。

晩年、ベイコンはハーバード大学で特別研究員として活動し、南アメリカ諸国を訪問することもありました。彼の研究や関与は、アメリカとラテンアメリカ諸国との関係改善に向けたものであり、1915年にはその著作『近隣ラテンアメリカ諸国との良好な関係にむけて』を発表しました。

ロバート・ベイコンは1919年5月29日にニューヨーク州で亡くなりました。彼の長いキャリアは、アメリカのビジネス界や外交において重要な影響を与えた人物として発展していきます。彼の功績は、外交政策だけでなく、国際的なビジネス関係の構築にも大きな意義がありました。

もう一度検索