ジョン・パーシング

ジョン・ジョゼフ・パーシング: アメリカ陸軍の英雄

ジョン・ジョゼフ・パーシング（1860年9月13日 - 1948年7月15日）は、アメリカの陸軍軍人であり、第一次世界大戦の指導者として知られています。パーシングは最終的に合衆国総軍元帥の地位にまで昇進し、その名は歴史に刻まれました。彼の生い立ちから軍歴に至るまで、パーシングの生涯は多くの出来事に彩られています。

初期の経歴

パーシングはミズーリ州ラクデーレ郡で生まれました。彼の家庭にはドイツ系とスペイン系の血が流れており、1886年には陸軍士官学校を卒業、少尉として陸軍に入りました。最初の任地は第6騎兵連隊で、アパッチ族と戦いながらその名声を高めました。特に射撃技術においては全軍でも高い成績を収め、彼の名声は広まりました。

その後、パーシングは法曹学校を卒業し、さらに軍事教官としての役割を担いました。1895年には第10騎兵連隊に配属され、アフリカ系兵士を率いてサトウキビの戦役に参加しました。この経歴から、彼は当初「ニガー・ジャック」という差別的なあだ名で知られましたが、のちに報道によって「ブラック・ジャック」と呼ばれるようになりました。

米西戦争と米比戦争

1898年、パーシングは米西戦争に参戦し、少佐に昇進。その後、フィリピンに赴き、米比戦争にも従軍しました。彼の顕著な活躍は評価され、戻った際には大将への昇進が提案されましたが、政権内部の反発により実現しませんでした。それでも彼のキャリアは順調に進み、1905年には東京に駐在する武官となり、日露戦争を観察しました。

パンチョ・ヴィジャ討伐

1914年にはメキシコ国境の警備を担当するようになり、1915年にはパンチョ・ヴィジャ討伐軍に参加しました。この遠征中には、私生活において大きな悲劇を経験し、妻と3人の娘を火事で失うことになりました。

第一次世界大戦での指導

1917年、アメリカがドイツに宣戦布告する際、ウッドロウ・ウィルソン大統領はパーシングをヨーロッパ派遣軍総司令官に任命しました。彼の指導のもと、ムーズ＝アルゴンヌ攻勢やサン＝ミエルの戦いが展開され、連合国の勝利に寄与しました。戦後、彼は特別に制定された合衆国総軍元帥に昇進し、英雄として崇められる存在となりました。

戦後の活動と評価

1920年代には大統領候補に名前が挙がるも実現せず、陸軍参謀総長に就任。その職を1924年まで務めた後は悠々自適の生活を送りました。回顧録を執筆し、1932年にはピューリッツァー賞を受賞しました。パーシングの業績は、第二次大戦の際にも称賛され、彼の名を冠したミサイルや戦車が存在します。

結論

1948年にパーシングは亡くなり、アメリカ政府は国葬を行いました。彼の生涯は、軍人としての栄光だけでなく、個人的な悲劇にも満ちており、アメリカの歴史に深く刻まれた人物です。

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