ロバート・C・シェリフ

R・C・シェリフの生涯と業績

R・C・シェリフ（ロバート・セドリック・シェリフ）は、1896年にイギリスのミドルセックス州ハンプトン・ウィックで生まれました。彼は母・コンスタンスと父・ハンキン・シェリフの唯一の子どもとして育ち、若い頃から文学に関心を持ちました。教育はキングストン・グラマー・スクールで受けた後、1914年にロンドンの保険会社であるサン・インシュランス・カンパニーに職を得て、内勤業務に従事しました。しかし、彼の人生は第一次世界大戦の勃発により大きく変わることになります。シェリフは陸軍大尉として第9東サリー連隊に所属し、フランス戦線で戦闘に参加しました。特に1917年のパッシェンデールの戦いで重傷を負い、戦功十字章を受けるという厳しい経験がありました。

戦後、シェリフはオックスフォード大学ニュー・カレッジに通い、文学を深く学ぶ機会を得ました。彼の作家としての活動は、アマチュアのボート競技クラブのために戯曲を書くことから始まります。シェリフの代表作であり、彼の経験を基にした戯曲『旅路の果て』は、1928年に完成し、翌29年に出版されました。この作品は、第一次世界大戦中の兵士たちの心理や日常を描写したもので、初演はイギリスのアポロ劇場で、監督はジェイムズ・ホエール、主演はローレンス・オリヴィエが担当しました。その後、同作品は映画化もされ、広く知られるようになりました。

シェリフは戯曲だけでなく、小説家としても才能を発揮しました。彼は『旅路の果て』をノヴェライズしたほか、1939年に発表された長編小説『ホプキンスの手記』は、H・G・ウェルズの影響を受けたポストアポカリプスの物語として注目されました。この作品では、月との衝突によって荒廃した地球の姿を描き、普通の男の視点を通じて厳しい現実を丹念に描写しています。このような彼の緻密な筆致は、後の作家たちに多大な影響を与えたとされています。

また、シェリフは映画やテレビドラマでも脚本を手がけ、1939年に公開された『チップス先生さようなら』の映画版の仕事によってアカデミー脚色賞にノミネートされ、1955年には『ダムバスター作戦』や『The Night My Number Came Up』の脚本でも英国アカデミー賞の候補となるなど、その業績は広く評価されています。

彼の代表作を含む多くの作品は、今日でも多くの劇場や教育機関で取り上げられ、シェリフの名は文学史に刻まれています。シェリフは1975年に79歳で亡くなりましたが、その影響力は現在でも色あせることなく、多くの人々に愛され続けています。彼の作品を通じて、戦争や人間の精神についての深い理解を得ることができるでしょう。

もう一度検索