ロバート2世 (スコットランド王)

ロバート2世の生涯と業績

ロバート2世（Robert II, 1316年3月2日 - 1390年4月19日）は、1371年から1390年までスコットランドの王として在位し、ステュアート朝の初代国王です。彼は第6代スコットランド執事長ウォルター・ステュアートとロバート1世の娘、マージョリー・ブルースの間に生まれました。その家名「ステュアート」は、1150年にさかのぼり、初代ウォルター・フィッツアランがデイヴィッド1世によってスコットランド王室の執事長に任命された際に始まります。以降、家族はこの称号を世襲し、後にはメアリー女王によってフランス風の綴り「ステュアート」に変更されました。

ロバートは、彼が生まれた後すぐに母マージョリーを失い、父ウォルターも僅か10歳の時に亡くなるという厳しい境遇の中で成長しました。1318年には、スコットランド議会によって、ロバート1世が子を残さずに崩御した場合、マージョリーの息子であるロバートが王位を継承することが定められました。1324年にはロバートの弟、デイヴィッドが誕生し、彼は1329年にデイヴィッド2世として王位に就きました。

しかし1371年、デイヴィッド2世は子を残さずに亡くなり、ロバート2世が新たな王として即位しました。即位当時54歳だったロバートは、かなりの健康問題を抱えており、ほとんど盲目であったため、周囲からは「Old Blearie」（霞み目爺さん）と揶揄されることもありました。彼の治世は、イングランドへの身代金支払い問題や、ダグラス家とパーシー家の抗争といった多くの課題に直面していたものの、老齢のロバートはほとんど業績を残すことができず、権力は息子たちに委ねられることとなります。

家族と子女

ロバート2世は1347年にサー・アダム・ミュアの娘エリザベス・ミュアと結婚しました。彼らの間には多くの子が生まれました。ロバートの子女は下記の通りです：

• - ジョン（1337年 - 1406年）：後にスコットランド王ロバート3世に即位。
• - ウォルター（1338年頃 - 1362年）：ファイフ伯で、10代ファイフ伯ダンカンの娘と結婚。
• - ロバート（1340年 - 1420年）：オールバニ公。
• - アレグザンダー（1342/3年 - 1406年）：バカン伯で、「バドノッホの狼」と呼ばれる。
• - マーガレット：イール卿ジョン・マクドナルドと結婚。
• - マージョリー：マリ伯ジョン・ダンバーと結婚。
• - エリザベス：第7代エロル卿トマス・ヘイと結婚。
• - ジーン：数人の男性と結婚し、その一人がイギリス王太后エリザベスの先祖となる。
• - イザベル：第2代ダグラス伯ジェームズと結婚した後、サー・ジョン・エドモンドストンと再婚。

さらに1355年にはロス伯ヒューの娘ユーフィミア・ドゥ・ロスと結婚し、2男2女をもうけました。子どもたちには次のような人物がいます：

• - デイヴィッド（1356年 - 1389年以前）：ストラサーン伯、ケイスネス伯。
• - ウォルター（1360年頃 - 1437年）：アサル伯。後にジェームズ1世の暗殺に関与し、処刑される。
• - エリザベス：初代クロフォード伯デイヴィッド・リンジーと結婚。
• - エギディア：ニスデール卿サー・ウィリアム・ダグラスと結婚。

さらに彼には庶子も存在し、サー・ジョンはビュート侯家の先祖となりことが知られています。また、トマス・ステュアートはセント・アンドルーズ司教に任命されました。

ロバート2世の治世は、多くの脅威と課題に直面しましたが、彼の家族や子女たちがその後のスコットランドの歴史に多大な影響を及ぼすこととなったのです。

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