ロビン・トロワー

ロビン・トロワー：ブルースとロックを紡ぐギターの詩人

ロビン・トロワー（Robin Trower）は、1945年3月9日生まれのイギリス出身のギタリストです。彼の音楽は、ブルース、ロック、そしてサイケデリックな要素が融合した独特のサウンドが特徴で、多くのギタリストや音楽ファンを魅了してきました。

プロコル・ハルムからソロへ

トロワーは、1967年から1971年までプロコル・ハルムのギタリストとして活動し、バンドの初期の成功に貢献しました。プロコル・ハルムは、「青い影」などのヒット曲で知られていますが、トロワーはバンド在籍中から、よりブルージーでギターを前面に出した音楽性を追求したいという思いを抱いていました。

1971年、トロワーはプロコル・ハルムを脱退し、自身のバンド、ロビン・トロワー・バンドを結成します。このバンドで、彼は自身の音楽性を自由に表現し、数々の名作アルバムを発表しました。

ジミ・ヘンドリックスの影響と独自の音楽性

トロワーの音楽は、しばしばジミ・ヘンドリックスと比較されます。実際、トロワーはヘンドリックスから大きな影響を受けており、そのギタープレイや楽曲構成には、ヘンドリックスの影響が色濃く見られます。しかし、トロワーは単なる「ジミヘン・フォロワー」ではありません。彼はヘンドリックスのスタイルを基盤にしながらも、独自の音楽性を追求し、独自のサウンドを確立しました。

トロワーのギタープレイは、粘り気のあるブルージーなトーン、感情豊かなビブラート、そして流麗なフレージングが特徴です。彼の楽曲は、ブルースを基調としながらも、ロックの力強さ、サイケデリックな浮遊感、そして美しいメロディが融合した、独特の世界観を持っています。

ロビン・トロワー・バンドの黄金時代

ロビン・トロワー・バンドは、1970年代に数々の名作アルバムを発表し、アメリカを中心に大きな成功を収めました。

1974年のアルバム『魂のギター（Bridge of Sighs）』は、全米チャート7位を記録する大ヒットとなり、トロワーの名を世界に知らしめました。このアルバムは、ギター・マガジン誌でベスト・ギター・アルバムに選ばれるなど、音楽的にも高い評価を受けています。
1976年には、ライブ・アルバム『ロビン・トロワー・ライブ!』を発表。このアルバムは、トロワーのギタープレイの魅力を余すところなく伝えており、彼の代表作の一つとして知られています。

1980年代以降の活動

1980年代以降も、トロワーは自身の音楽性を追求し続け、数々のアルバムを発表しています。彼は、ジャック・ブルースとの共演や、ブライアン・フェリーのアルバムへの参加など、様々なプロジェクトにも積極的に取り組んでいます。

近年では、自身のレーベルからアルバムをリリースしながら、ヨーロッパやアメリカでライブ活動を行っています。彼のライブは、往年の名曲に加え、最新アルバムからの楽曲も披露され、多くのファンを魅了しています。

音楽史におけるロビン・トロワーの功績

ロビン・トロワーは、ブルースとロックを融合させた独自のサウンドで、音楽史に大きな足跡を残しました。彼のギタープレイは、多くのギタリストに影響を与え、彼の楽曲は、今もなお多くの音楽ファンに愛されています。まさに「ギターの詩人」と呼ぶにふさわしい、偉大な音楽家です。

ディスコグラフィー(一部)

過去よりの再帰(1973年)
魂の[ギター]
ロビン・トロワー・ライヴ!(1976年)
B.L.T.(1981年)
* セヴン・ムーンズ(2008年)

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