ロビン・フッド (1973年の映画)

ディズニー映画『ロビン・フッド』：動物たちの陽気な義賊伝説

1973年にアメリカで公開され、日本で1975年に公開されたウォルト・ディズニー・プロダクションの長編アニメーション映画『ロビン・フッド』。中世イングランドの伝説を基に、動物たちを主人公としたコミカルで魅力的な物語が展開します。

制作秘話：20年越しの夢

本作の企画は1940年代にまで遡ります。しかし、主人公が義賊であることから、ウォルト・ディズニー自身は当初、制作を見送りました。その後、多くの脚本家やアニメーターが関わり、25万枚ものスケッチが制作されるなど、長い歳月をかけて構想は練られていきました。

『宝島』の制作スタッフだったケン・アンダーソンがウォルト・ディズニーに改めてこの企画を提案。ウォルト・ディズニーの死後、ウォルフガング・ライザーマンらが動物キャラクターへのアレンジを加え、構想から20年以上を経て、ついにアニメーション映画として完成しました。セル画10万枚、背景画800枚という大作です。

ストーリー：シャーウッドの森の義賊

舞台は動物たちのイングランド。シャーウッドの森に住むキツネのロビン・フッドは、クマのリトル・ジョンと共に、悪徳王子ジョンから奪ったお金を貧しい人々に分け与える義賊として活躍しています。

王子ジョンは高額な税金を課し、民衆を苦しめています。ロビンフッドはリトル・ジョン、アライグマのタック神父ら仲間と共に、真の王であるリチャード王の帰還を願って奮闘します。王子ジョンとその配下であるヘビのヒスやオオカミのシェリフらとの攻防、そしてロビンフッドとキツネのマリアンの恋物語が、軽妙なユーモアとスリリングな展開で描かれています。

魅力的なキャラクターたち

ロビン・フッド: 勇敢で機転の利くキツネ。弓矢の名手であり、変装の達人でもあります。マリアン姫への恋心を秘めています。

リトル・ジョン: ロビンフッドの忠実な相棒であるクマ。巨体と怪力を持つ、陽気な性格の持ち主です。

マリアン: リチャード王の姪で、美しく心優しいキツネ。ロビンフッドと恋仲になり、物語の重要な役割を果たします。

タック神父: ロビンフッドを支援するアライグマ。神父として人々を助け、ロビンフッドから預かったお金を分配します。

プリンス・ジョン: 傲慢で邪悪なライオンの王子。リチャード王不在の隙を突き、国民から搾取を繰り返します。

ヒス: プリンス・ジョンの腹心であるヘビ。高い知略を持ちますが、王子の無能さには手を焼いています。

シェリフ: プリンス・ジョンの命令に従い、民衆を苦しめるオオカミの保安官。ロビンフッド逮捕に執着します。

これらの個性豊かなキャラクターたちが織りなす、ユーモラスでテンポの良い展開は、子供から大人まで楽しめる魅力となっています。

音楽とダンス

劇中歌も魅力の一つです。「Phony King of England」では、『おしゃれキャット』のダンスシーンを彷彿とさせるシーンが登場するなど、ディズニーらしい華やかな演出が施されています。

アニメーション技術

10万枚のセル画と800枚の背景画によって作られた、精緻なアニメーションは必見です。

まとめ

『ロビン・フッド』は、ディズニーが得意とするユーモアとアクション、そして美しいアニメーションを融合させた傑作です。動物たちの愛らしい姿と、義賊ロビンフッドの活躍は、世代を超えて人々を魅了し続けています。長年の構想を経て制作された、ディズニーアニメーション史に残る作品を、ぜひ一度ご覧ください。

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