ロベルタ・ビンチ

ロベルタ・ビンチは、1983年2月18日、イタリアのターラントで生まれた女子プロテニス選手です。身長163cm、体重60kgと小柄ながら、その卓越した技術と戦略的なプレーで、数々の偉業を成し遂げました。

6歳でテニスを始めたビンチは、1999年にプロ転向。同年の全仏オープンジュニア女子ダブルスで、同じイタリアのフラビア・ペンネッタと組み優勝を果たし、早くからその才能を発揮しました。2001年には、ドーハ大会のダブルスでサンドリーヌ・テスチュとペアを組み、ツアー初優勝を飾ります。その後も、テスチュとのペアでグランドスラムでの好成績を残しました。

シングルスでは、2001年の全米オープンでグランドスラムに初出場。2007年のボゴタ大会で、タチアナ・ガルビンの途中棄権により、シングルス初優勝を果たしました。2011年には、バルセロナ、スヘルトーヘンボス、ブダペストの3大会で優勝。ロジャーズ・カップでは、当時世界ランキング1位だったキャロライン・ウォズニアッキを破るなど、その実力を証明しました。

グランドスラムのシングルスでは、なかなか3回戦の壁を破ることができませんでしたが、2012年ウィンブルドン選手権で初の4回戦進出。同年の全米オープンでは、第2シードのアグニエシュカ・ラドワンスカを破り、初のベスト8に進出しました。準々決勝では、親友でありダブルスパートナーのサラ・エラニに敗れましたが、その活躍は多くのファンを魅了しました。2013年全米オープンでもベスト8に進出するも、準々決勝でフラビア・ペンネッタに敗れ、ベスト4進出はなりませんでした。

オリンピックでは、2004年アテネ、2008年北京、2012年ロンドンと、3大会連続でイタリア代表として出場しました。また、2006年、2009年、2010年のフェドカップでは、イタリアチームの優勝に貢献しました。

ビンチの特筆すべき功績は、ダブルスでの活躍です。特にサラ・エラニとのペアでは、数々のタイトルを獲得しました。2012年[[全豪オープン]]では、グランドスラム初の決勝に進出。同年全仏オープンで、念願のグランドスラムダブルス初優勝を果たしました。さらに、同年の全米オープンでも優勝し、ダブルスランキングで1位を獲得しました。2013年全豪オープンでも優勝し、4大大会ダブルス3勝目を挙げました。2014年には、ウィンブルドンで優勝し、史上5組目となるキャリアグランドスラムを達成しました。

2015年全米オープンでは、準決勝でセリーナ・ウィリアムズを破り、年間グランドスラムを阻止。決勝ではフラビア・ペンネッタに敗れましたが、準優勝という素晴らしい成績を収めました。2016年には、サンクトペテルブルク・レディース・トロフィーでプレミア初優勝を果たし、ランキングで初のトップ10入りを果たしました。33歳でのトップ10入りは、WTA史上最年長記録です。同年5月には、自己最高の7位を記録しました。

2018年、地元のBNLイタリア国際を最後に、現役を引退。その最後の試合は、多くのファンに見守られ、感動的な幕切れとなりました。

ビンチの戦績は、シングルスで10勝5敗、ダブルスで25勝18敗です。グランドスラムでは、ダブルスで全豪オープン2勝、全仏オープン1勝、ウィンブルドン1勝、全米オープン1勝を記録しています。彼女の活躍は、テニス界に大きな足跡を残し、多くの人々に感動と勇気を与えました。

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