ロベルタ・ボンダー

ロベルタ・ボンダー：カナダ初の女性宇宙飛行士

ロベルタ・ボンダー（Roberta Bondar、1945年12月4日 - ）は、カナダ、オンタリオ州スーセントマリー出身の宇宙飛行士であり、神経学者です。彼女は、カナダ人女性として初めて宇宙へ旅立ち、宇宙を訪れた初の神経学者としても知られています。ボンダーは、カナダ勲章を受章し、カナダ王立協会の会員でもあります。

教育と初期のキャリア

ボンダーは、ゲルフ大学で動物学と農学の学士号を取得（1968年）。その後、ウェスタンオンタリオ大学で実験病理学の修士号（1971年）、トロント大学で神経科学の博士号（1974年）、マックマスター大学で医学博士号（1977年）を取得しました。1981年には、カナダ専門医協会の神経学のフェローとなりました。彼女はスーセントマリーのSir James Dunn高校を卒業後、ボストンのタフツ医科大学で神経科学のトレーニングを受けました。また、カリフォルニア州サンタバーバラのBrooks Institute of Photographyで風景写真の撮影技術も習得しています。

宇宙飛行士としての活躍

1984年、ボンダーは宇宙飛行士としての訓練を開始し、1992年には第1次国際微小重力実験室ミッションでペイロードスペシャリストに任命されました。1992年1月22日から30日にかけて、NASAのスペースシャトルディスカバリーのSTS-42ミッションで宇宙へ飛び立ち、スペースラブで様々な実験を行いました。

地球帰還後、ボンダーは10年以上にわたりNASAの国際科学者チームを率い、24回の宇宙ミッションで得られたデータを分析し、宇宙環境が人体機能に与える影響や、その回復メカニズムに関する研究に取り組みました。

NASA退職後の活動

NASAを退職後、ボンダーは、ファイザー、オラクル、連邦捜査局など、多岐にわたる組織のコンサルタントとして活動しています。また、CNN、BBC、PBS、CBCなどのテレビやラジオ番組にゲストとして出演し、カナダやアメリカ合衆国で広く放送されています。さらに、IMAX映画「Destiny in Space」にも取り上げられ、エプコットの新しいアトラクション「Mission: SPACE」のオープニングにも招待されました。

ボンダーは、2009年6月30日にトレント大学の学長を辞任しました。彼女は2期6年間学長を務め、後任には俳優のトム・ジャクソンが就任しました。

功績を称える名称

ボンダーの故郷であるスーセントマリーには、彼女の名を冠したロベルタ・ボンダー・パークがあります。また、オンタリオ州政府は70 Foster Driveに、彼女の名前をつけたパビリオンを建設しました。公園の奥にあるマリーナにも彼女の名前が付けられています。

1996年には、オンタリオ州アジャックスとオタワに、ドクター・ロベルタ・ボンダー公立学校が開校しました。2005年には、ブランプトンにもロベルタ・ボンダー公立学校が開校しています。ブリティッシュコロンビア州アボッツフォードにあるドクター・ロベルタ・ボンダー小学校も、彼女の名前にちなんで名付けられました。さらに、彼女の名前を冠した4番目の公立学校が、2008年9月にオンタリオ州ヴォーンに開校しました。

ロベルタ・ボンダーは、科学、医学、そして宇宙探査における女性の道を切り開いたパイオニアとして、多くの人々にインスピレーションを与え続けています。

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