ロベルト・キアッパ

ロベルト・キアッパ：トラックレース界のベテラン

ロベルト・キアッパ（Roberto Chiappa）は、1973年9月11日にイタリアのテルニで生まれた自転車競技選手で、主にトラックレースで活躍しました。

輝かしい経歴

キアッパは、1991年のジュニア世界自転車選手権スプリントで優勝し、その才能を早くから開花させました。翌1992年のバルセロナオリンピックでは、スプリントで4位入賞という素晴らしい成績を収めました。1993年の世界自転車選手権・タンデムスプリントでは、フェデリコ・パリスとのコンビで優勝を果たし、翌1994年の同選手権でも3位に入賞しました。1996年のアトランタオリンピックではスプリント9位、1997年の世界軍隊選手権・スプリントでは優勝しています。2000年のシドニーオリンピック・スプリントでは7位入賞を果たしました。

引退と復帰、そして事件

2000年10月、マンチェスターで開催された世界自転車選手権・スプリント準決勝での出来事は、キアッパのキャリアにおいて大きな転換点となりました。フランスのローラン・ガネとの対戦で、1本目を先取したものの、その際に見せたラフプレーがガネの怒りを買い、挑発される事態となります。ガネがその後2本連取して勝利したものの、3本目終了後、キアッパが握手を求めたのに対し、ガネがこれを拒否。これに激怒したキアッパがガネを転倒させるという事件を起こしてしまいます。この行為に対し、国際自転車競技連合（UCI）はキアッパの行為を重く見て、3位入賞を認めず、結果として同年のスプリント3位は該当者なしという結論に至りました。このレースを最後に、キアッパは一旦現役を引退しました。

しかし、約4年後の2004年6月、キアッパはトラックレースのイタリア国内選手権で現役復帰を果たします。そして、ケイリンとスプリントで優勝。翌2005年の同大会でも両種目を制覇しました。2006年には、約6年ぶりに世界自転車選手権（ボルドー）に出場。ケイリン、スプリントともに7位に終わりましたが、スプリントの本選1回戦で、優勝候補の一角と見られていたフランスのグレゴリー・ボジェに勝利するという波乱を起こしました。

その後

イタリア国内選手権では、2006年、2007年の両年とも、ケイリン、スプリント、チームスプリントで優勝し、その強さを見せつけました。また、2007年にはトラックワールドカップ第2戦（ロサンゼルス）のスプリントで2位、同年世界選手権のスプリントでは7位に入っています。2008年の北京オリンピックでは、スプリントで10位、ケイリンで25位という結果でした。

日本との関わり

キアッパは、200メートルフライングタイムトライアルでイタリア記録（10秒18）を保持しています。また、現役時代には国際競輪にも1997年から4年連続で参加し、通算56戦17勝、優勝3回という成績を残しました。2000年には、東京ドームで開催されたシドニーオリンピック・日本代表応援イベントである「サイクルスポーツフェスティバル」にも招待選手として出場するなど、日本でもお馴染みの選手でした。

外部リンク

ロベルト・キアッパ - サイクリングアーカイヴス（英語）
ロベルト・キアッパ - Olympedia（英語）
* 2000年世界選手権レポート（KEIRIN.JP）

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