ロベルト・シューマン大学デュッセルドルフ

ロベルト・シューマン大学デュッセルドルフは、ドイツ西部ノルトライン＝ヴェストファーレン州の州都デュッセルドルフに所在する、長い歴史を持つ音楽に特化した高等教育機関です。作曲家ロベルト・シューマンに敬意を表してその名を冠しており、国内外から多くの学生が集まる学術的な拠点となっています。1935年にその礎が築かれて以来、ドイツの音楽界に貢献する人材を育成し続けています。

沿革

本学の歴史は、1935年にさかのぼります。当時デュッセルドルフ市内に存在した3つの私立音楽学校が統合される形で、「ロベルト・シューマン音楽院」として設立されました。この名称は、デュッセルドルフに長期間居住し、その音楽的発展に大きな足跡を残した偉大な作曲家、ロベルト・シューマンにちなんで名付けられたものです。創設当初は私立の音楽教育機関でしたが、1972年には重要な転換期を迎えます。ノルトライン＝ヴェストファーレン州の責任体制下に置かれることとなり、ラインラント地方における公立の大学の一つとして位置づけられることになりました。これにより、より公共性の高い教育機関としての基盤が強化されました。そして、1987年には現在の正式名称である「ロベルト・シューマン大学デュッセルドルフ」（Robert Schumann Hochschule Düsseldorf）へと改称し、現在に至ります。

教育体制と規模

現在、本学では充実した教育体制の下、専門的な音楽教育が行われています。教員構成は、41名の教授陣を中心に、160名の講師が学生の指導にあたっています。学生数は約600名で、教員数に対して比較的少人数の学生数であることから、きめ細やかな指導が行われていることがうかがえます。これらの教員と学生が一体となって、日々音楽研究と実践に励んでいます。

多彩な学科

教育プログラムは、学生が自身の専門分野を深く追求できるよう、多岐にわたる学科で構成されています。音楽演奏の根幹をなす「器楽科」や「声楽科」をはじめ、未来の音楽家や教育者を育成する「音楽教育科」が設けられています。また、ドイツの文化において重要な位置を占める教会音楽分野にも力が入れられており、宗派別に「カトリック教会音楽科」と「プロテスタント教会音楽科」が存在します。さらに、現代音楽やメディアに対応するため、「サウンドエンジニアリング科」といった先進的な分野も提供しており、音楽と技術の融合を探求することができます。これらの学科は、伝統的な音楽分野から最新の音響技術まで、幅広い専門性に対応しています。

補足事項

ここで注意が必要な点として、フランスのストラスブールに過去存在した「ロベール・シューマン大学」（Robert Schuman University, 2009年にストラスブール大学に再統合）とは、全く別の教育機関であるという点が挙げられます。名称が似ていますが、本学はドイツの作曲家「ロベルト・シューマン」（Robert Schumann）にちなむのに対し、ストラスブールの大学はフランスの政治家「ロベール・シューマン」（Robert Schuman）にちなむものであり、由来する人物が異なります。混同しないよう留意が必要です。

ロベルト・シューマン大学デュッセルドルフは、その歴史と多様な教育プログラムを通じて、ドイツ国内外の音楽教育に貢献し続けています。専門分野を深く学びたい学生にとって、理想的な環境が整えられています。

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