ロベール1世 (ノルマンディー公)

ロベール1世の生涯

ロベール1世（1000年頃 - 1035年7月3日）は、11世紀前半のノルマンディー公です。彼は、その華やかな衣装を好んだことから「華麗公」（le Magnifique）と称される一方で、兄の暗殺に関与した疑いから「悪魔公」（le Diable）とも呼ばれました。また、彼の先祖であるロロがロベールと改名したため、彼のことをロベール2世と数える場合もあります。

生い立ちと公位継承

ロベール1世は、ノルマンディー公リシャール2世とその妻ジュディットの息子として生まれました。彼の叔母には、イングランド王エゼルレッド2世とクヌーズ大王の妃エマがいます。1027年に父が亡くなると、兄のリシャール3世が公位を継承しましたが、そのわずか1年後に亡くなりました。このリシャール3世の死はロベール1世による暗殺ではないかと強く疑われ、彼が「悪魔公」と呼ばれるようになった要因の一つです。

公としての活動

ロベール1世は、在位中、フランス王アンリ1世が弟ロベールや母后コンスタンスの反乱に苦しんでいた際、アンリ1世を支援し、その褒賞としてヴェクサンを獲得しました。さらに、フランドルにも介入し、亡命していた従弟のイングランド王エドワード懺悔王を支援しました。また、ノルマンディーの修道院改革にも取り組みました。

家庭と後継者

ロベール1世は、愛人エルエーヴ（またはアルレット・ド・ファレーズ）との間に1男1女をもうけました。息子ギヨームを後継者に指名した後、エルサレム巡礼に出発しましたが、帰路の途中でニカイアにて亡くなりました。彼の死後、わずか8歳だったギヨーム2世が公位を継承しました。

後世への影響

ロベール1世の生涯は、ジャコモ・マイアベーアの歌劇「悪魔のロベール」（1831年作曲・初演）の題材にもなりました。この歌劇は、ロベール1世の伝説的な側面を強調しており、彼の複雑な人物像を後世に伝えています。

子女

ロベール1世は、愛人アルレット・ド・ファレーズとの間に以下の1男1女をもうけました。

ギヨーム2世（1027年 - 1087年）: ノルマンディー公、後にイングランド王ウィリアム1世となる。
アデライード（1030年頃 - 1090年以前）: ポンチュー伯アンゲラン2世、ランス伯ランベール2世、シャンパーニュ伯ウード2世と結婚。

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