エドワード懺悔王

エドワード懺悔王について

エドワード懺悔王（エドワードざんげおう、英: Edward the Confessor）は、1004年頃に生まれ、1066年1月5日に他界したイングランドの王であり、ウェセックス朝の君主として知られています。彼は1042年から1066年まで在位し、聖公会とカトリック教会では聖人として認ばれています。エドワードは、無策王として知られるエゼルレッド2世と彼の2番目の妃エマの間に生まれた子供であり、異母弟にエドマンド2世が存在します。彼は実質的にアングロ・サクソン系の最後の君主とも考えられています。

「懺悔王」という称号は、カトリック教会で特に重要な意味を持っており、殉教はしていないものの、信仰を守り続けた聖人を指すものです。このため、エドワード懺悔王は近年「証聖王」や「証聖者王」としても知られるようになりました。

エドワードの生涯

エドワードの生涯は波乱に満ちています。彼は1013年、デンマーク人のスヴェン1世による侵略を避けるために、幼少期に母エマの故郷であるノルマンディーに逃れました。ノルマンディーでは4半世紀を過ごし、その間に現地の風習や文化が彼の考え方や統治スタイルに影響を与えます。1041年には異父弟ハーディカヌートと共同で統治を始め、1043年にはウィンチェスター寺院において正式にイングランド王として戴冠されました。

エドワードは、1045年にウェセックス伯ゴドウィンの娘エディスと結婚しましたが、彼自身は修道士としての純潔に重きを置いていたため、子供をもうけることはありませんでした。彼はノルマン人を高位に置くことで、彼の権力を保とうとしましたが、実際にはその後、ゴドウィンの息子ハロルド・ゴドウィンソンの影響力が増し、エドワードはますます窮地に追い込まれていくことになります。

彼の治世後半には、ハードカヌートの死後、エドワードは彼の政敵であったゴドウィンを排除することに成功しましたが、翌年には逆にゴドウィン一家の復権を許してしまいます。最終的にエドワードは1066年に亡くなりました。

後継者問題

エドワードは、フェードの後継者としてエドワード・アシリングを指名しましたが、彼が1057年に亡くなったため、代わりにエドワード・アシリングの息子エドガーを後継者に選びました。ところがエドガーはまだ若すぎたため、諸侯たちはハロルドをイングランド王として即位させます。このハロルド2世は、エドワードの死後すぐにノルマンディー公ギヨーム2世の反発を受け、最終的にはギヨームがイングランド王ウィリアム1世として即位する運命をたどります。

エドワードの遺産

エドワード懺悔王の信仰は、彼が建立したウェストミンスター寺院によって示されています。この寺院は1045年に基礎が築かれ、以来イングランド王の戴冠式が執り行われる場所となりました。歴代の王はエドワードの法に従うことを誓い、エドワードへの尊崇は続いています。彼は1161年に列聖され、以来「自由なイングランド」における法の象徴として理想化され、年代記には彼の名が理想的な王として記されています。その影響は今もなお、イングランドの歴史に脈々と流れ続けています。

エドワード懺悔王の生涯と統治は、彼自身の信仰心によって形成され、後世において聖人としての地位を確立することになったのです。

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