ロボット2.0

ロボット2.0 (2.0)

『ロボット2.0』（2.0）は、2018年に公開されたインドのタミル語SFアクション映画であり、2010年公開の『ロボット』の続編です。シャンカールが引き続き監督を務め、ラジニカーント、アクシャイ・クマール、エイミー・ジャクソンらが出演しています。本作では、携帯電話の使用によって生態が脅かされている鳥類を守るため、人々を襲う鳥類学者に対抗するため、前作で解体された人型ロボット「チッティ」の復活と戦いが描かれます。2018年当時、インド映画史上最高額の製作費が投じられ、2015年から製作が開始されました。撮影はチェンナイを中心に、ジャワハルラール・ネルー・スタジアムなどの施設で行われ、2017年8月までに完了しました。

2018年11月29日にタミル語版、テルグ語吹替版、ヒンディー語吹替版が同時公開され、映画は好意的な評価を集めました。特に特殊効果、ラジニカーントとアクシャイの演技、そして社会的なテーマが賞賛されましたが、脚本については批判も寄せられました。公開初日の海外興行収入は11億7,340万ルピーを記録し、公開初週末には興行収入が52億ルピーを超え、週末興行収入ランキングで第1位となりました。また、2018年時点でインド歴代興行収入ランキング第2位、インド映画歴代興行収入ランキング第5位にランクインしています。

ストーリー

高性能ヒューマノイドロボット・チッティの暴走事件から8年後、バシーガラン博士は新たな女性型ヒューマノイドロボット・ニラーを開発していました。その頃、チェンナイ中のスマートフォンが飛び立ち、姿を消すという不可解な事件が発生し、街中はパニックに陥ります。政府の特別委員会に召集されたバシーガランは、事態を解決するためにチッティの復活を提案しますが、8年前にチッティによって父ボラ教授を殺害されたディネンドラ・ボラは強硬に反対します。内務大臣のヴィジャイ・クマールも、チッティが人的被害を出した場合の責任を負うことを拒否したため、バシーガランの提案は否決されます。しかし、バシーガランはニラーと共に人工知能博物館に侵入し、チッティを研究所に持ち帰り修復作業を開始します。

その後、スマートフォンの販売業者ジャヤント・クマール、電波塔業者ルッラーがスマートフォンの大群によって殺害されます。新たに建設された電波塔も破壊され、さらに電波塔設置を決定した電気通信大臣ムールティーもスマートフォンに殺害されます。事態を重く見たヴィジャイ・クマールはチッティの復活を認め、バシーガランはチッティと共に事件の捜査を開始します。バシーガランは、スマートフォンを動かしているのは負のエネルギーであると考え、それを打ち消すための正のエネルギーを発射する装置を開発します。同時に、スマートフォンに関連した不審死の情報を収集し、事件の前日に自殺した男の情報を手に入れ、自殺現場に向かいます。

彼は自殺現場に現れた巨大なスマートフォンの怪鳥に襲われますが、正のエネルギーの発射装置を作動させて怪鳥の負のエネルギーを中和しようと試みます。そして、怪鳥の正体が自殺した鳥類学者パクシ・ラジャンである事を知ります。パクシは幼い頃に鳥に命を救われた過去を持ち、鳥類学者として人生を歩んできましたが、携帯電話の普及による電波塔の増加により、発信される電波が鳥の生態を狂わせ死に追いやっているという事実を突き止めます。彼は携帯電話の使用制限や違法な電波塔の削減を訴えますが、相手にされず、自宅で飼っていた鳥も全て死に絶え、さらに自宅前にも電波塔が建設されます。絶望したパクシは電波塔に登り、そこで自殺しますが、彼の生体エネルギーは鳥の生体エネルギーと融合し、スマートフォンを電磁波によって操るオーラを手に入れたのです。彼はその力を使い、スマートフォンを使う人間を殺すために動き出し、それを止めようとするチッティと衝突します。チッティはパクシに圧倒されMPUを破壊されますが、ニラーが自分のMPUを差し出して助け出します。バシーガランは正のエネルギーを発射してパクシの負のエネルギーを中和し、彼を回路の中に封じ込めることに成功します。

事件を解決したバシーガランたちは賞賛され、クマールはチッティを大量生産してインド軍に導入することを決定します。しかし、チッティの復活とバシーガランへの賞賛に嫉妬したディネンドラによってパクシの回路が盗み出され、パクシが解き放たれてしまいます。パクシはバシーガランの身体を乗っ取り人々を襲い始め、バシーガランの身体を気遣い攻撃を躊躇うチッティを破壊します。ニラーは研究所に戻りチッティの修復作業を始め、8年前の事件の原因となったボラ教授のチップ「ファームウェア2.0」を使い、チッティ2.0を復活させます。

パクシ以外の人間に危害を加えないようにプログラミングされたチッティ2.0は、インド軍の研究所に侵入して大量生産されたチッティを2.0に改造していきます。一方、パクシはサッカー・スタジアムに姿を現し、観客たちをスタジアムに閉じ込めて電磁波を使い皆殺しにしようと企て、見せしめとしてその場に居合わせたディネンドラが殺されます。そこにチッティ2.0軍団が現れ、パクシと戦闘を開始します。2人は互角の戦いを繰り広げますが、チッティ2.0はバッテリー切れを起こしてパクシに逆襲されます。パクシは止めを刺そうとしますが、そこに小型チッティ3.0「クッティ」の集団が鳩に乗って現れ、鳩が攻撃に巻き込まれることを恐れたパクシに反撃します。バシーガランの身体から分離したパクシは、クッティに誘導されてインド宇宙研究所の電波発信塔に誘い込まれ、発信された正のエネルギーに捕まり消滅します。

病院で目を覚ましたバシーガランは、病室を訪れたクマールにパクシの考えを受け入れ、鳥を守るためにスマートフォンの利用制限や電波塔の削減を進言し、ヴィジャイ・クマールはそれを受け入れ議会に提案することを約束します。「ファームウェア2.0」を解除したチッティは、ニラーとの仲をバシーガランに認められます。2人の退室後、バシーガランが恋人サナに電話をかけると、スマートフォンが変形してクッティが姿を現します。何者かを尋ねるバシーガランに対し、クッティは「あなたの孫だ」と答えるのでした。

もう一度検索