ロマネスコ

ロマネスコの魅力と特性

ロマネスコ（Romanesco）は、アブラナ科の植物で、カリフラワーとブロッコリーの中間的な特徴を持つ美しい野菜です。特にそのフラクタル的な形状が特徴で、食卓に彩りを加えるだけでなく、栄養価も高いとされています。日本での名前は、イタリア語「Broccolo Romanesco」に由来し、「ローマのブロッコリー」という意味を持っています。

ロマネスコの特徴

この野菜は、未成熟の花蕾を食用とし、黄緑色のつぼみが集まった部分は螺旋状に配置され、円錐形を成しています。この幾何学的構造は数段階にわたって繰り返され、自然の中で見られるフラクタル形状を体現しています。また、ロマネスコの花蕾はフィボナッチ数に基づいた配置がされており、見た目にも美しいことから「黄緑サンゴ」とも称されています。

生産と流通

ロマネスコは1990年代初頭にフランスのブルターニュ地方で商業生産が始まり、その後世界各国に広がりました。1993年以降は冷凍ロマネスコが広く流通するようになりましたが、現在でもその取引額は他の野菜と比べると比較的小さいです。日本国内でも福岡県や宮城県を中心に生産されており、毎年11月下旬から2月上旬にかけて出荷されています。ただし、出荷量自体は多くないのが現状です。

家庭菜園向けに販売されている品種には「Romanesco Veronica」や「Minaret」、さらには「Guiseppe」などがあり、特異な形状から人気があります。しかし、立派なフラクタルを形成するためには育成技術が必要で、中級者向けとされています。

料理方法と保存

ロマネスコは様々な調理法があり、茹でる、煮る、炒めるなどの方法が一般的です。また、サラダやピクルス等でも使用され、その鮮やかな色合いが料理に華を添えます。選ぶ際は、花蕾が密に締まっていて、先端が茶色く変色していないものが良いとされています。

保存する際は、洗わずに丁寧に包装し冷蔵庫に保管することで、4〜5日ほど新鮮に保つことができます。調理前にはしっかりと洗い、花蕾を分割して柔らかくなるまで加熱してください。クリーミーなスープ作りにも向いており、裏ごしして牛乳や豆乳と混ぜると美味しいスープが出来上がります。

日本では「カリッコリー」や「ドラゴンスパイラル」といった興味を引く商品名で販売されることもあります。

栄養価

ロマネスコの栄養成分はおおよそ他のアブラナ科野菜と類似しており、特にビタミンCの含量は注目されています。ロマネスコ1株（約93g）あたりの栄養価は、以下の通りです：

• - カロリー: 20kcal
• - タンパク質: 1.88g
• - 炭水化物: 3.9g
• - 脂肪: 0.19g
• - 食物繊維: 2.0g
• - ビタミンC: 56mg

その栄養価から、ロマネスコは健康的な食生活を送るための優れた選択肢となります。見た目の美しさと栄養価の豊かさを兼ね備えたロマネスコ、ぜひ食卓に取り入れてみてはいかがでしょうか。

もう一度検索