ロマンス (1984年のテレビドラマ)

NHK連続テレビ小説『ロマンス』

『ロマンス』は、1984年4月2日から9月29日まで放送されたNHKの連続テレビ小説であり、第32作目にあたります。この作品は、全156回のエピソードから成り、明治末年の北海道と東京を舞台に、映画に情熱を注ぐ若者たちの姿を描いています。

概要

このドラマの主役を演じたのは榎木孝明で、彼にとってのテレビデビュー作となります。さらに、彼と共演者の芹洋子が主題歌を担当しており、この曲は連続テレビ小説史上初めて歌詞入りのオープニング曲となりました。そのため、本作は音楽面においても特別な位置を占めています。

『ロマンス』は過去の連続テレビ小説の流れの中で、女性が主人公の作品が続いていた流れを変える存在でした。1966年度の『おはなはん』の大ヒット以降、17年間にわたり男性が主人公の作品は登場していませんでしたが、今回の作品はそれを覆し、25作ぶりに男性主人公を起用しました。これは作品の特異性を高め、視聴者に新鮮な印象を与えました。

1984年5月には、ゆり2号aによるNHK衛星第1テレビジョンの試験放送も始まり、当時の新しい試みが見られました。初回の視聴率は41.7%と高い数字を記録し、平均視聴率は39.0%、最高視聴率は47.3%に達しました。特に関東地区での視聴率の高さが目立ち、多くの視聴者が作品に引き込まれたことが推測されます。放送ライブラリーではこのドラマの第1回が公開されており、現在でも作品の魅力を感じることができます。

キャスト

『ロマンス』には多くのキャストが出演しており、その中でも特に注目すべきキャラクターは次の通りです。

• - 加治山平七（榎木孝明）: 主人公で、映画への情熱を注ぐ青年。
• - 小島はる（樋口可南子）: 平七の恋人であり、物語の重要な役割を果たす。
• - 香木真之助（辰巳琢郎）: 平七の友人で、映画製作に携わる仲間。
• - 大倉さよ（小宮久美子）: 平七の妻となるキャラクター。
• - 香木真太郎（船越英二）、香木艶子（岸田今日子）: 真之助の両親。
• - その他: 中条静夫や加藤登紀子など、多彩な顔ぶれが揃い、作品に華を添えています。

スタッフ

この作品の制作陣もまた豪華で、脚本は田向正健が手掛け、音楽は山本直純が担当しました。主題歌「夢こそ人生」は、芹洋子と榎木孝明の歌声によって命を吹き込まれました。

制作全体の演出は北嶋隆や冨澤正幸などの名手たちが行い、各エピソードに情熱を注いでいます。これらの要素が組み合わさり、『ロマンス』は多くの視聴者に愛される作品となりました。

まとめ

『ロマンス』は1984年の放送時に大きな反響を呼び、男性主人公の新しい風を吹き込みました。劇中の若者たちの夢や葛藤を通じて、視聴者に深い感動を与えたことは間違いありません。現在でも、当時の熱気を思い起こさせる名作として、多くの人々に語り継がれています。

もう一度検索