ロマンチスト・エゴイスト

ポルノグラフィティ1stアルバム『ロマンチスト・エゴイスト』：インディーズ時代からの軌跡と、メンバーの情熱が凝縮された作品

2000年3月8日、SME Recordsよりリリースされたポルノグラフィティの記念すべき1枚目のオリジナルアルバム『ロマンチスト・エゴイスト』。このアルバムは、単なるデビューアルバムという枠を超え、バンドのルーツとアイデンティティを深く理解するための重要な作品と言えるでしょう。

インディーズ時代からの楽曲群：バンドの原点と進化

収録されている全13曲は、インディーズ時代（1994年～1997年）とメジャーデビュー前（1997年～1999年）に制作された楽曲が中心です。シングルを目指して制作されたこれらの曲は、まさにポルノグラフィティの音楽的原点であり、彼らの音楽性を多角的に示すインディーズベストとも呼べる内容となっています。デビューシングル「アポロ」やリードシングル「ヒトリノ夜」を含む、初期衝動と確かな音楽性を兼ね備えた楽曲の数々は、バンドの成長過程と揺るぎない個性を鮮やかに映し出しています。

アルバムのこだわり：手書きの歌詞とクレジット、初回限定特典

アルバムのブックレットはフォトブックレット仕様となっており、初回仕様にはメンバーのフォトポストカードが封入されています。さらに、歌詞とクレジットは別紙に記載されており、そこにはメンバーによる手書きの文字が使用されているという、細部にわたるこだわりが見られます。CDケースの裏面、CDレーベル面にも手書きの文字が用いられており、彼らの楽曲に対する並々ならぬ情熱と、リスナーへの誠意が感じられます。

ライブでの再現：ファンとの特別な繋がり

2016年2月～3月には、love up!会員限定ライブイベント『FANCLUB UNDERWORLD 5』が開催されました。このイベントでは、『ロマンチスト・エゴイスト』の全13曲を収録順に完全再現するという、ファンにとって特別な企画が実現しました。このライブは、アルバムに対する彼らの想いと、長年彼らを支えてきたファンとの強い絆を象徴する出来事だったと言えるでしょう。

各楽曲の詳細：制作秘話やライブでのエピソード

アルバムに収録されている各楽曲は、それぞれに制作秘話やライブパフォーマンスにまつわる興味深いエピソードが数多く存在します。例えば、オープニングナンバー「Jazz up」はインディーズ時代からの定番曲で、メンバーの故郷・因島にちなんだ歌詞や、ライブでの定番のオープニングナンバーとしての歴史が語られています。「Century Lovers」は、ボブ・ディランやジョン・レノンへのオマージュが込められており、ライブでは「Before Century」というコールアンドレスポンスが定番となっています。また、「ライオン」はレッド・ツェッペリンへのオマージュや歌詞、アレンジの大幅な変更など、インディーズバージョンからの変化が興味深い楽曲です。

バラード曲「憂色～Love is you～」は、歌詞の締切に追われていた新藤が夢の中で書き上げた詞を含むエピソードがあり、バンドの創作過程の一端を垣間見ることができます。「マシンガントーク」では、岡野のモンキーダンスが定番となっていますが、首の怪我を負った経験もあるなど、ライブパフォーマンスにおけるエピソードも興味深いものです。「デッサン#1」は、岡野の失恋をテーマにした楽曲で、歌詞が新藤によって大幅に書き換えられたという、制作過程における二人の関係性を感じさせるエピソードがあります。「アポロ (New Apollo Project Version)」はアルバムバージョンとして収録されており、制作時期の順番などの裏話も興味深いものです。

その他にも、「ラビュー・ラビュー」「ジレンマ (How To Play "didgeridoo" Version)」「リビドー」「ロマンチスト・エゴイスト」など、各楽曲には制作過程やライブでのエピソードなど、多くの魅力的な要素が詰まっています。これらのエピソードは、単なる音楽作品としての『ロマンチスト・エゴイスト』を、より深く理解するための重要な手がかりとなるでしょう。

スタッフクレジット：制作に関わった多くの関係者への感謝

アルバムのクレジットには、プロデューサー、エンジニア、ミュージシャン、そして多くのスタッフの名前が記されています。これらの関係者一人ひとりの尽力があってこそ、この完成度の高い作品が誕生したと言えるでしょう。彼らの努力と貢献は、アルバム全体に漂う高いクオリティを裏付けています。

まとめ：時代を超えて愛される、名盤の誕生

『ロマンチスト・エゴイスト』は、単なるデビューアルバムではなく、ポルノグラフィティというバンドのアイデンティティ、音楽性、そしてメンバーの情熱が凝縮された、時代を超えて愛される名盤です。手書きの歌詞、初回限定特典、ライブでの再現など、彼らのこだわりが随所に散りばめられたこのアルバムは、聴く者の心を深く揺さぶり、長く記憶に残る作品となっています。

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