ロミオとジュリエット (1968年の映画)

映画『ロミオとジュリエット』の紹介

『ロミオとジュリエット』（原題：Romeo and Juliet）は、1968年に公開されたイギリス・イタリア合作の映画です。この作品は、ウィリアム・シェイクスピアによる同名の戯曲を映画化したもので、フランコ・ゼフィレッリが監督と脚色を担当しました。主演にはイギリス出身のレナード・ホワイティングとオリヴィア・ハッセーが起用されています。

キャスティングと撮影

本作は従来の映画化作品（特に1936年版）と比較して、登場人物の実年齢により近いキャストが選ばれました。特にオリヴィア・ハッセーは当時16歳で、彼女の青春期の感情を見事に表現しています。また、本作はイタリアの美しい風景を背景にロケーション撮影が行われ、視覚的にも非常に魅力的な作品となっています。

音楽

映画音楽を担当したニーノ・ロータのスコアも高く評価されており、特にテーマ曲は映画音楽の中でも代表的な名作として広く親しまれています。音楽はストーリーを引き立て、登場人物の感情をより深く観客に伝える役割を果たしました。

ストーリー

物語は、ヴェローナの2つの名門家族、モンタギュー家とキャピレット家の悲劇的な対立を背景に、恋に落ちた若い男女、ロミオとジュリエットの運命を描いています。家族の対立にもかかわらず、二人は深い愛情で結ばれますが、様々な障害が次々と立ちはだかり、最終的な結末は多くの悲劇を生むことになります。この物語の普遍的なテーマは、愛、憎しみ、運命などが組み合わさったものです。

スタッフと受賞歴

本作には、監督のフランコ・ゼフィレッリのほか、製作陣としてジョン・ブレイボーン、アンソニー・ヘイヴロック＝アランが名を連ねています。脚本にはゼフィレッリと共にフランコ・ブルサーティ、マソリーノ・ダミコが参加、撮影はパスクァリーノ・デ・サンティスが行いました。

この映画は多くの賞にノミネートされており、撮影賞と衣装デザイン賞のアカデミー賞を受賞しました。また、ナストロ・ダルジェントの各種賞にも選ばれており、特に監督と音楽が高く評価されています。

エピソードと訴訟

映画制作にまつわる興味深いエピソードとして、当初ロミオ役の出演依頼がビートルズのポール・マッカートニーにかなり興味深いことがあり、彼は最終的にこの役を断っていることが知られています。また、日本の脚本家北川悦吏子が本作の影響を受けて脚本家を志望するようになったとの話もあります。

しかし、2022年12月にオリヴィア・ハッセーとレナード・ホワイティングが、映画におけるヌードシーンについて訴訟を起こすという大きなニュースがありました。当時の撮影において、ゼフィレッリ監督はヌードを撮影する必要性を語り、二人はその結果大きな精神的苦痛を受けたという主張をしています。この訴訟は、映画制作における倫理や表現の自由に関する議論を引き起こしています。

総評

『ロミオとジュリエット』は、シェイクスピアの名作を基にした映画の中でも特に印象深い作品であり、今なお多くの人々に愛されています。美しい映像、感情豊かな演技、音楽が融合したこの映画は、時間を超えて人々の心に残ることでしょう。

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