ロモ

ロモ（LOMO）とは

ロモ（LOMO、ЛОМО）は、ロシアに本社を置く光学機器製造企業で、レニングラード光学器械合同（Leningrad Optical Mechanical Amalgamation）の略称です。特に日本では、トイカメラブランドとして有名ですが、その技術力は一眼レフカメラの初期作品や報道用カメラの開発など、多岐にわたります。今日においても、研究や軍事用途の光学機器を生産する先端技術を誇るメーカーです。

歴史

ロモの起源は、1914年2月4日にサンクトペテルブルクで設立された光学器械工場に遡ります。当初はシュナイダーから多数の資本投資を受けていましたが、第一次世界大戦やロシア革命による混乱で生産は一時的に中断されました。その後、1919年にはレーニンの指示で映画用カメラの製造を始め、ソヴィエト政府の重要な宣伝手段となりました。

1920年代に入ると社会情勢が安定し、工場は拡張されて光学ガラスの製造を開始します。その結果、初のカメラ製品「FOTO-GOZ」を試作し、続いて乾板カメラ「FOTOKOR」を販売。さらに1935年には、世界初の35mm判一眼レフカメラ「スポルト」を製造しました。この時期の製品は、特に戦後の復興とともに注目を集めました。

1941年からの第二次世界大戦では、レニングラードはドイツ軍に包囲される厳しい時期を迎えました。その中でも工場は戦争資材の生産を続け、戦後はドイツの技術を取り入れた復興を果たしました。その結果、航空や軍事用途に特化した光学機器の生産が行われるようになりました。

1962年にはLOOMP（レニングラード光学器械工業企業体連合）に名称を変更し、1965年にはロモと改称。それ以降も、さまざまな光学機器を開発し続け、6mの天体望遠鏡BTA-6を製造するなど、技術力は高く評価されました。

主な製品

ロモは多くのカメラモデルを生産していますが、特に有名なものには以下があります：

• - スポルト（Sport、1936年発売）: 世界初の35mm判一眼レフカメラ。
• - ルビテル（Lubitel、1946年発売）: ステレオカメラとして人気を博した。
• - スメナ（Smena、1952年発売）: 大衆向けの35mm判カメラ。
• - LC-A（1983年発売）: 自動露出の35mm判コンパクトカメラで、特にカルト的人気を誇る。

LC-Aは他のカメラと異なり、その描写には独特な特性があります。生産の差異や設計上の欠陥からトンネル効果とも呼ばれる光量落ちが生じ、これが逆に魅力となり、ロモグラフィーというアート運動を生み出しました。ソビエト時代には150万台が国内で販売されるほど普及しましたが、崩壊後は需要が減少し生産が一時中止されました。しかし、若者たちの支持を受け、再生産が行われるなど、その人気は現在も衰えを知りません。

現在のロモ

現在ではカメラ生産からは撤退していますが、ロモは依然として宇宙開発や軍事、民間の部門で重要な役割を果たし、ロシアの光学産業の中心的な存在であり続けています。これまでの歴史や技術の進化を反映した精密な光学機器を提供し、そのブランドの名は今なお世界に知れ渡っています。

もう一度検索