ロラゼパム

ロラゼパムについて

ロラゼパム（英: Lorazepam）は、精神的な不安を軽減するために使用されるベンゾジアゼピン系の抗不安薬です。この薬は日本ではファイザー社から提供されており、ブランド名「ワイパックス（Wypax）」で知られています。ロラゼパムは中程度の持続時間を持ち、体内の半減期は約12時間です。適用される症状には、神経症や心身症に伴う不安、緊張、抑うつなどが含まれます。

使用目的と適応

日本において、ロラゼパムの適応としては以下のような症状が挙げられます。
1. 神経症における不安・緊張・抑うつ
2. 心身症（自律神経失調症、心臓神経症）の身体症候として、およびそれに伴う不安・緊張・抑うつ
3. てんかん重積状態に対する使用

イギリスでは、1990年代に緊急時の鎮静目的での抗精神病薬の一部使用によるリスクが明らかになり、ロラゼパムが第一選択薬としての地位を得ました。

副作用と注意点

ロラゼパムには様々な副作用があります。主なものには以下が含まれます。

• - 眠気や倦怠感、脱力感
• - 頭痛やめまい
• - 集中力の低下

また、極端な服用や他の中枢神経抑制薬、アルコールとの併用により、呼吸抑制といった場合によっては致命的な副作用が現れることもあります。さらに、妊娠中には催奇形性のリスクがあるため、母体や胎児への影響を考慮しながら慎重に使用する必要があります。授乳期の使用についても注意が必要で、乳汁へ移行し、乳児に眠気、体重減少、呼吸抑制の症状を引き起こすことがあります。

依存性とそのリスク

ロラゼパムに関しては、その依存性の高さが懸念されています。日本では、2017年3月に厚生労働省が連用により依存症が生じる可能性があるとの警告を発表しました。医療機関には、用量と使用期間を慎重に取り扱うようにとの通達も行われています。

離脱症状と耐性の問題

長期間にわたるロラゼパムの服用は、依存症や耐性の発生を伴うことがあります。急に服用を中止すると、震え、不安感、抑うつ症状などの離脱症状が現れる可能性が高まります。一般的に、依存症は治療が4週間を超えると発生しやすく、特に高用量で服用するほどリスクが増すとされています。ロラゼパム、アルプラゾラム、トリアゾラムは依存を起こしやすい薬剤です。

依存症を防ぐためには、徐々に薬を減量することが望ましいとされています。

まとめ

ロラゼパムは、不安や抑うつを軽減する効果が期待される抗不安薬ですが、依存性やさまざまな副作用のリスクも伴います。そのため、服用の際には医師の指導のもとで注意深く取り扱う必要があります。特に、服用期間や用量については厳密に管理することが重要です。

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