ロリカタ類

ロリカタ類とは

ロリカタ類（Loricata）は、ワニとその近縁種を含む爬虫類の一群です。この分類群は、三畳紀まで遡り、主竜類に属しています。特に注目すべきは、ワニ形上目とそれに関連するラウイスクス類という、特殊な形態の生物群を含む点です。ロリカタ類は、主に四足歩行の捕食者として知られ、基盤的なワニ形類に至る進化的立場を占めています。

歴史的背景と命名

ロリカタ類は1820年、ドイツの博物学者ブラシウス・メレムによって「Versuch eines Systems der Amphibien」という著作の中で初めて命名されました。彼は当初、ロリカタ類を爬虫類「Pholidota」の三大グループの一つと見なしていました。他の二つはカメ（Testudinata）と有鱗目（トカゲとヘビ）です。これにより、ロリカタ類の理解は当時の文脈とは異なるものでした。

2011年には、古生物学者スターリン・ネスビットが新たな分類法を提案し、ロリカタ類を最も包括的な分岐群として定義しました。彼はロリカタ類を「Crocodylus niloticus」を含むが、絶滅した「Poposaurus gracilis」や「Ornithosuchus longidens」、「Aetosaurus ferox」を含まない群として特定しました。これらの種は、恐竜とは異なり、ワニに近い三畳紀の生物です。

ロリカタ類の特徴

ネスビットの研究では、ロリカタ類の共有派生形質がいくつか示されています。具体的には、前上顎骨に4本の歯があり、鱗状骨の下側に稜があります。さらに、眼窩は前後に狭く上下に高くなっており、特徴的な骨構造が確認されています。腸腓骨筋の付着部位や足根骨の関節部に特異な構造も見られることから、ロリカタ類の進化的な位置づけは非常に特異であることがわかります。

ロリカタ類は、ワニ形上目およびラウイスクス類の群との関係性によって位置づけられています。特にラウイスクス科は小規模な分岐群とされ、ワニ形類と密接な関係にあります。

分類学的再評価

ロリカタ類の分類は時間と共に変化しています。例えば、França、Langer、Ferigolo（2011）は、Nesbittの解析に新たな内群を加え、「Dekuriascops」を最も基盤的なロリカタ類として位置付けました。このように、研究が進むにつれて、ロリカタ類の位置付けや構成が再評価されています。

また、ポポサウルス上科も過去にはワニ形上目に近い種とされていましたが、Nesbittの研究によりその理解が変わり、現在の分類法ではロリカタ類の基盤的なグループに位置づけられています。

結論

ロリカタ類は、ワニの進化的な祖先を探る上で極めて重要なグループです。彼らの特徴や歴史的背景、及び化石の発見を通じて、爬虫類の進化の多様性と複雑さが明らかになっています。今後の研究によって、さらなる詳細が解明されることが期待されています。

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