ロリカトサウルス

ロリカトサウルス（Loricatosaurus）は、「武装したトカゲ」を意味する学名を持つ、剣竜類に分類される恐竜の一属です。イギリスとフランスの中期ジュラ紀、カロビアン階の地層から化石が発見されています。

分類

ロリカトサウルスは、かつてはレクソヴィサウルス（Lexovisaurus）に分類されていました。しかし、スザンナ・メイドメントらの研究チームによる標本の再分析の結果、レクソヴィサウルスの模式標本が比較参照に適さないと判断されました。そのため、レクソヴィサウルスの模式種以外の種に対して、新たにロリカトサウルスという属名が与えられることになりました。

ロリカトサウルスのプリスクス種（priscus）は、参照可能な標本に与えられた最も古い種小名です。この種は、1911年にステゴサウルス（Stegosaurus）の一種として記載された経緯があります。つまり、当初はステゴサウルスの一種と考えられていたものが、後にレクソヴィサウルスに分類され、最終的にロリカトサウルスという独立した属に再分類されたのです。

発見されている標本

ロリカトサウルスは、2つの部分的な骨格化石によって知られています。これらの化石は、ロリカトサウルスの形態や特徴を理解する上で重要な情報源となっています。

特徴

以前、レクソヴィサウルスとして報告されていた情報とは異なり、ロリカトサウルスの標本からは肩のスパイクは確認されていません。しかし、尾にはサゴマイザーと呼ばれるスパイク状の構造を有していたと考えられています。サゴマイザーは、敵から身を守るための武器として機能していた可能性があります。

ロリカトサウルスの正確な体長や体重は、化石の断片性から推定が難しいですが、他の剣竜類と比較すると、中型の恐竜であったと考えられます。背中には骨板が並び、尾にはスパイクを備えた、典型的な剣竜類の形態をしていたと想像できます。

ロリカトサウルスの化石は、ジュラ紀のヨーロッパにおける恐竜相の一端を示す貴重な証拠です。今後の研究によって、ロリカトサウルスの生態や進化における位置づけがさらに明らかになることが期待されます。

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