ロンドン考古協会

ロンドン考古協会について

ロンドン考古協会（The Society of Antiquaries of London）は、イギリスの歴史および骨董に関連する研究や知識の推進を目的とした学術団体であり、1751年の設立以来、学問の発展に寄与してきました。協会はロンドンのピカデリーに位置し、慈善団体としても登録されています。会員は「フェロー」と呼ばれ、特定の資格が求められるため、その選出プロセスには厳格な審査が行われています。

会員制度

考古協会の会員であるフェローは、その名の後に「FSA」の称号をつけることができ、これはその成就を示す重要なものであります。フェローになりますためには既存のメンバーからの推薦が必要で、5名から12名のフェローがその候補者の適格性を認める署名を提出する必要があります。選挙は匿名で行われ、反対票1票に対して賛成票4票以上が必要です。このような選定方法により、考古学や文化遺産の専門家たちにとって、フェロー制度は特に意義深いものとなっています。

初代事務長であったウィリアム・スタックリーの元、協会は成長し、2015年の時点で約3000名のメンバーが所属していることが知られています。

歴史的背景

考古協会の起源は、1586年に設立された考古大学（College of Antiquaries）にさかのぼります。この大学は当初の間、ディベートの場として機能していましたが、1614年にはその活動が禁止されました。現在の考古協会は1707年にロンドンで非公式の初会合を開いたことから始まります。設立に際して、歴史的な文献や建物についての研究や保存が必要であるとの認識がありました。

この協会の設立には、ジョン・タルマンやジョン・バグフォードなどの先駆者が深く関与しており、彼らはアン女王に対して考古学の研究を支援するよう求めていました。この時期に、様々な研究や調査が行われ、考古学的な関心が高まることとなりました。

1751年には、ジョセフ・アイロフィの尽力によって公式に設立され、以降、様々な収集品の収集が始まりました。1828年には重要な絵画のコレクションの取得が行われ、これは後にナショナル・ポートレート・ギャラリーの設立への布石ともなります。

第二次世界大戦中のロンドン大空襲を受けて、考古協会は多くの遺跡の調査に着手しました。特に重要な発見には、ロンディニウムの一部である要塞が含まれており、1968年にはこれらの調査の成果がW・F・グライムスによってまとめられています。

ライブラリーと出版物

考古協会は、イギリスにおける考古学研究の重要なライブラリーを有し、コレクションは18世紀以降に収集された10万冊以上の蔵書を含んでいます。定期刊行物としても800タイトルを有し、研究者たちにとって貴重な資源となっています。

刊行物としては、『Vetusta Monumenta』や『Archaeologia』、さらには会議録形式で発行された『Proceedings and Antiquaries Journal』などがあり、それぞれ歴史的な情況や発見を多角的に掘り下げて記録しています。最近には、2001年から「Salon」というオンラインニュースレターを発行し、最新の情報を発信しています。

結論

ロンドン考古協会は、博物館や大学とも連携しながら、歴史や文化遺産の保護に情熱を持って取り組む機関です。長い歴史と幅広い研究の系譜が息づくこの協会は、今後もイギリス考古学の中心的存在として重要な役割を果たしていくことでしょう。

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