ロータス・エヴァイヤ

エヴァイヤ（タイプ130）

エヴァイヤは、イギリスのロータス・カーズが開発した電気自動車であり、ハイパーカーの一つです。本車両は2019年5月に発表され、ロータスが初めて手掛けるEVとして登場しました。また、ロータスが中国の吉利汽車傘下に入って以来、発表された新車種でもあります。イギリスの自動車史上、最初の電動ハイパーカーとしても位置付けられています。タイプナンバーは130です。

ロータスがこのEVハイパーカーを開発することになった背景には、長年の計画がありました。エグゼクティブディレクターのジェフ・ダーウィンは、「親会社の吉利汽車の支援が大きかった」と述べています。さらには、2022年10月にF1のチャンピオンシップ獲得から50周年を記念するモデル、エヴァイヤ フィッティパルディが限定8台で発売されました。この特別仕様は、かつてのF1マシンのデザインを踏襲し、特別な装飾が施されています。車名の「エヴァイヤ」はキリスト教の原初の女性「イヴ（Eve）」に由来し、「最初の存在」という意味が込められています。

メカニズム

パワートレイン

本車両は、1基あたり500psを発生する電気モーターを4つ持ち、合計で最高出力2,000psを達成します。これは量産車としては初めての試みです。また、173.4kgf·mの最大トルクを誇ります。エネルギー供給には、2000kW・70kWhの大容量リチウムイオンバッテリーを使用しています。これにより、約18分での急速充電が可能で、最大航続距離はWLTP複合サイクルで約400kmに達します。多彩な走行モードを備えており、運転スタイルに応じたパフォーマンスを提供します。

シャシ

車両のシャシは、モータースポーツに由来するカーボンファイバー製モノコックを採用しており、その軽量化が実現されています。総車両重量は1,680kgであり、ポテンシャルを引き出すための設計が施されています。

エクステリア

フルカーボンファイバー製のボディは、エアロダイナミクスを最大限に活かすためのデザインを採用しています。特に、多孔性デザインは空気の流れを良好に保ち、ドラッグ（空気抵抗）を効果的に軽減しています。先進的なエアロ商品技術には、超音速機のSR-71ブラックバードからのインスピレーションを受けています。

インテリア

インテリアにはポロシティコンセプトが取り入れられ、ユニークなダッシュボードデザインが特徴です。運転席はテクノロジーに満ちており、過去のロータスの名作への敬意を表した要素が随所に見られます。

パフォーマンス

エヴァイヤは、0から100km/hの加速を3秒以下で達成し、320km/hの最高速を誇ります。中・高速域での加速力も凄まじく、100から200km/hまでの加速も3秒以下で行います。

製造と販売

本車両はイギリス・ノーフォークのヘセルに新設された工場で130台の限定生産が計画されています。販売価格は200万ポンド（約3億円）となり、予約時には手付金が必要です。生産開始は2021年度を予定しており、開発プログラムの進捗も順調であることが報告されています。

エヴァイヤは、電気自動車の新境地を切り開く存在であり、その性能とデザインの融合は魅力的です。

もう一度検索