ロータス・93T

ロータス・93Tについて

ロータス・93T（Lotus 93T）は、1983年のF1世界選手権において、チーム・ロータスが開発したフォーミュラ1カーです。この車両は、1983年の開幕戦から第11戦まで使われ、ドライバーにはエリオ・デ・アンジェリスとナイジェル・マンセルの2人が起用されました。

概要

93Tは、故コーリン・チャップマンが手がけた最後のマシンであり、ルノー製のV6ターボエンジンを搭載した初めてのロータス車でもありました。シーズンの初めから8戦まではデ・アンジェリスがドライブし、その間、マンセルは92モデルを使用していました。マンセルは、1983年4月に行われたノンタイトル戦「レース・オブ・チャンピオンズ」で93Tの2号車を運転したものの、実際のレースでは92に専念していました。

デ・アンジェリスは、サンマリノGPでのレースにおいて、ピレリタイヤの不安定さに苦しみ、複数回のタイヤ交換を経て、最終的にはレースを放棄することとなりました。また、マンセルも同イベントのレース・オブ・チャンピオンズで、ハンドリング不良が原因でわずか6周でリタイヤしました。

第9戦のイギリスGPから両ドライバーは94Tに切り替えましたが、予選ではマンセルがエンジン不調に悩まされ、最終的に93Tで予選を通過しました。ドイツGPでも、マンセルはエンジンブローによるトラブルで93Tに乗り換え、残念ながら2周目にリタイヤを余儀なくされました。93TはオーストリアGPでもスペアカーとして持ち込まれ、デ・アンジェリスは予選初日にこの車両を使用していましたが、結局、このレースの予選結果を持って93Tのレースキャリアは終了しました。最終的に、93Tはエンジンなしの状態で2台とも売却され、現在はクラシック・チーム・ロータスの手に残っていません。

スペック

シャーシ

• - シャーシ名: 93T
• - シャーシ構造: カーボンファイバー製モノコック
• - ホイールベース: 2,692mm
• - 前トレッド: 1,800mm
• - 後トレッド: 1,600mm
• - ブレーキキャリパー: APロッキード
• - ダンパー: コニ
• - ホイール: スピードライン
• - タイヤ: ピレリ
• - ギアボックス: ヒューランドFGB（ケーシングはロータス）5速マニュアル

エンジン

• - エンジン名: ルノーEF1
• - 気筒数・角度: V6ターボ・90度

F1における全成績

• - 出場レース数: 9
• - リタイア: 8
• - 決勝最高位: 9位
• - 予選最高位: 4位
• - ファステストラップ: 0
• - 獲得ポイント: 0

93Tは、ポイント獲得には至りませんでしたが、1983年シーズンにおいては特異な役割を果たしたマシンとして記憶されています。

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