ロータス・96

ロータス96: インディカーの未完の傑作

ロータス96は、チーム・ロータスが最後に開発したインディカー・ワールドシリーズ（CART）参戦用のフォーミュラカーであり、その設計は著名なデザイナー、ジェラール・ドゥカルージュによるものです。このマシンは、1984年に出走した95Tの基本的な設計を踏襲しつつ、時代の流れに合わせたいくつかの改良が施されました。

シャーシの開発過程

ドゥカルージュは、シャーシの製作にあたってマイク・コフランの協力を得ています。二人は、レギュレーションに適応するために、材料やデザインにおいて新しいアプローチを試みました。特に、1991年以降のロータスのマシンはカーボンファイバーを使ったコンポジット構造を採用しており、この96も例外ではありませんが、1981年のロータス88以来のノーメックスに代わり、アルミハニカムを用いる新たな手法が導入されました。この変更は、マクラーレン・MP4/1|マクラーレン・MP4_1と呼ばれる他のフォーミュラカーと同じ製造方法です。

インディカーへの夢破れる

残念なことに、ロータス96は予定通りの出走を果たすことができず、インディカーのレギュレーションの変更により参戦できなくなりました。本来ならばこのマシンがレースで活躍する姿を多くのファンが期待していましたが、その夢は叶えられませんでした。それに伴い、96はほかの多くのレーシングカーと同じく、静かにその生涯を閉じることとなります。現在、ロータス96はクラシック・チーム・ロータスにより所有され、大切に保管されています。

スペック詳細

• - シャーシ名: 96
• - ホイール: ダイマグ製
• - タイヤ: グッドイヤー製
• - ダンパー: コニ製
• - エンジン名: フォードDFX
• - 気筒数・角度: V型8気筒ターボ・90度
• - 排気量: 2,650cc
• - スパークプラグ: チャンピオン製

ロータス96は、このように技術的な革新を含んだマシンでしたが、最終的にはレギュレーションの変化によってレースの舞台から遠ざかることとなり、フォーミュラカーとしての存在意義は未完のままとなっています。未来の自動車技術にも影響を与える可能性を秘めたこのマシンのストーリーは、ファンにとっても非常に興味深いもので、今なお多くの人々の記憶に残っています。

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