ロータス・T128

ロータス・T128 (Lotus T128)

ロータス・T128は、チーム・ロータスが2011年のF1世界選手権に向けて開発したフォーミュラ1カーです。設計責任者はマイク・ガスコインで、シーズンを通じて活躍しました。

概要

2011年1月26日、チームはこの新しいマシンを発表することを決定し、開幕戦に向けて着々と準備が進められていました。当初はTL11という名称を考えていましたが、最終的にはT128に改名され、1月31日にその姿が明らかになりました。

初走行は、バレンシア・サーキットでヘイキ・コバライネンによって行われ、コイントスで担当ドライバーが決定されました。開発の過程で、昨シーズンのモデルT127と比較して、空力デザインが進化し、よりスタンダードなレベルに到達しました。特徴として、ハイノーズと幅広のフロントウィング、さらに前年にメルセデスが採用した形状を取り入れたインダクションポッドがあります。チームは新たに風洞を建設中でしたが、ウィリアムズの風洞を一時的に借りる契約を締結しました。

エンジンはコスワース製からルノー製に変更され、ギアボックスとハイドロリックシステムはレッドブル・テクノロジーから供給される形となりました。開幕戦ではKERS（回生エネルギーシステム）が搭載されないままでしたが、シーズン後半に必要になれば導入する方針が示されました。しかし、最終的にはKERSは導入されず、チームはルノー及びレッドブルとの契約を延長し、2012年からKERSの供給を受けることになりました。

シーズン中の4月には、イギリスの自動車メーカーであるケータハムカーズを買収し、シーズンの中盤からはサイドポッドにそのロゴを追加しました。

開幕からパフォーマンスに課題を抱えていたヤルノ・トゥルーリは、パワーステアリングの感触に不満を持ち、「まるで目隠しされて運転しているようだ」と表現しました。チームはハンガリーGPから新しく改良したシステムを導入し、トゥルーリはその効果を実感しました。

一方、ヘイキ・コバライネンは、予選でQ2に3回進出し、既存のチームに対しても5回のフィニッシュを果たしました。開幕戦では他チームに対しておおよそ2秒の差がありましたが、シーズン終盤でその差は0.5秒まで縮まったのです。このことは、KERSを搭載できればさらに改善できるという可能性を示しており、コバライネンの技術とマシンの着実な向上を証明する結果となりました。

スペック

• - シャーシ名: T128
• - シャーシ構造: カーボンファイバーモノコック
• - 全長: 約5,000mm
• - 全高: 950mm
• - クラッチ: APカーボン・マルチプレート
• - ホイールベース: 3,000mm以上
• - ブレーキキャリパー: AP
• - ブレーキディスク・パッド: ヒトコ
• - ダンパー: ペンスキー・マルチマチック
• - ホイール: BBSチーム・ロータス仕様
• - タイヤ: ピレリ
• - ギアボックス: レッドブル・テクノロジー製
• - コックピット機器: MES
• - 冷却システム: チーム・ロータス
• - ステアリング: チーム・ロータス
• - ドライバーシート: チーム・ロータス
• - シートベルト: シュロス
• - 消火システム: FEV
• - 燃料セル: ATL
• - バッテリー: ユアサ

• - エンジン名: ルノーRS27-2011
• - 燃料: トタル
• - 潤滑油: N/A

記録

• - ポールポジションが太字、ファステストラップが斜字で表示されています。NCは周回数不足を示しています。

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