ローツェ

ローツェ (Lhotse)

ローツェはヒマラヤ山脈に位置し、エベレストから南側に続く山で、標高は8,516メートルに達します。これは世界で4番目に高い山であり、ローツェの名はチベット語で「南の峰」を意味します。ローツェの主峰の他に、中央峰（8,414メートル）やシャール峰（8,383メートル）も存在し、主峰とエベレストの頂上間は直線で約3キロと非常に近接しています。

登山ルート

ローツェへ至る一般的な登山ルートは、エベレストのノーマルルートと共通しており、約7,800メートルまでは同じ道を辿ります。このルートでは、最初にベースキャンプを出発し、クーンブ・アイスフォールを経て、西壁を登ります。途中、エベレストに向かうルートと分岐し、最後に狭いクーロワールを通過して、頂上に達します。

西壁

ローツェの西側に位置する「ローツェ・フェース」は、エベレストのサウスコルとの連なりによって知られています。この高さ1125メートルに達する氷壁は、通常40度から50度の傾斜であり、一部は80度以上になります。この氷壁の上には、「イエロー・バンド」と「ジュネーブのシュプール」と称される2つの岩場があります。

南壁

ローツェの南壁は約3300メートルの標高差があり、世界有数の大岩壁として知られています。このルートの登攀は非常に難易度が高く、歴史的にも多くの著名なアルピニストたちに挑戦されましたが、多くがその難しさを前に敗北を喫しました。1990年にはスロベニアのトモ・チェセンが単独無酸素で登頂したとされていますが、その登頂には現在疑問が呈されています。また、2006年末には、日本の登山チームが冬季に初めて南壁を登る偉業を成し遂げましたが、頂上到達は果たせませんでした。

登頂史

ローツェの初登頂は1956年にスイスの登山隊によって成し遂げられたのが最初でした。その後、1988年にはポーランドのクシストフ・ヴィエリツキが冬季初登頂を達成し、2006年には日本つの探検隊が南壁を冬季初で登った時の偉業は、その後も多くの登山者によって挑戦されています。2003年10月までには約243人が登頂に成功したものの、イェジ・ククチカを含む11名が命を落としてしまったことは山の過酷さを物語っています。

年表の主な出来事

• - 1956年5月18日: スイス隊が初登頂に成功。
• - 1988年12月31日: クシストフ・ヴィエリツキが冬季初登頂。
• - 2006年12月27日: 日本チームが冬季南壁初登頂。
• - 2018年5月15日: 79歳の松本たつおが最高齢登頂を達成。

ローツェを描いた作品

ローツェの南壁を舞台にした作品として、石塚真一の漫画「岳」や、笹本稜平の「ソロ ローツェ南壁」が存在します。これらの作品は、ローツェの魅力とその登攀の厳しさを描いています。これによって、多くの人々がローツェに魅了され、登山に挑戦することになります。

もう一度検索